12月の例会報告

日時 12月21日(第3日曜日)
会場 草津市立まちづくりセンター(309号室)
電話番号 077‐562‐9240

研修時間  9時40分から16時55分まで

研修内容
午前
10:00 難経読み合わせ 第46回 六十一難・六十二難 中尾先生
10:50 休憩
11:00 臨床あれこれ 田口先生、岸田先生

12:00 昼食

午後
13:00 脈診修練
13:30 基本刺鍼
14:00 取穴 膀胱経(崑崙、委中)
14:30 小里方式(前半)
15:30 休憩
15:40 小里方式(後半)
16:40 反省会
17:00 例会終了

挨拶と会務報告
今月は小林先生から次のような話がありました。
12月に入りインフルエンザが流行している。感染予防や重症化を防ぐためにワクチン接種が奨励されているが、ワクチン接種後に風邪のような症状を現した患者さんや、ある施設で全職員がワクチンを接種していたにもかかわらず、流行期に入ると職員の半分がインフルエンザに罹患した話、また母里啓子氏の著書などから、ワクチンには本当に効果があるのかはなはだ疑問である。
また鍼灸には即効性があるが、そのために患者さんが変な期待を抱いてしまい、すぐに結果が出ないと鍼灸は効かないと早合点されてしまう。鍼灸師としてよく考えなければならない。

難経読み合わせ
今月は中尾先生が六十一難と六十二難を担当しました。素問・霊枢などの文献を適切に引用しながらのわかりやすい読解進行でした。特に六十一難の問診のところでは五臓と五味との関係について活発な質疑応答が行われました。
五味との関連で酸味が好きな人は高尿酸血症であっても通風になりにくいと言うのはおもしろいなと思いました。

臨床あれこれ
施術後の下肢の怠さの症例(田口先生)
風邪引き後の喉の痛みなどを主訴とする50代の婦人、肺虚肝実の本治法と仙骨部への陶器灸などの標治法で主訴は寛解したが、その後下肢の怠さが出現した症
例についてどのように考えればよい、かとの問いでした。
先生方からは、主訴自体は寛解しているので誤治ではないと思う。ただその後、入浴と湧泉などのせんねん灸を励行しているので患者自らドーゼを過ごしたかもしれない。また神経質そうな人なので様子を確認するためにあまり日をおかずに次の治療日を決めておいた方がよい、などの意見が出されました。

肺虚肝実証の治療(岸田先生)
滋賀漢方鍼医会では、腎経と三焦経を営気の手法で補うという方法で効果を上げてきましたが、これに対して七十五難の条文通りに心包経を営で、腎経を衛でそれぞれ補う方法を発表しました。その特徴として、強いストレスを感じていること、両寸口部が非常に沈んでいること、胸部に熱感があり下腹部が虚していることなどをあげ、症例を示しつつわかりやすい発表でした。

脈診修練
滋賀漢方では、六部定位脈診に難経五難の菽法脈診と、浮沈・遅数・虚実の八祖脈などを併せた脈診を修練しています。

取穴
今月は膀胱経から崑崙と委中を取穴しました。ランドマークがはっきりしている崑崙は概ね問題なく取れますが、一見簡単そうに思える委中は経絡に指を乗せるのが難しくて皆、苦戦していました。

基本刺鍼
刺さない鍼であるてい鍼の刺鍼技術を習練します。てい鍼の技術に熟達すると毫鍼以上の効果を出すことができます。

小里方式
症状のある人をモデル患者にして診察・証決定・治療にいたるまでを実地臨床に近い形で研修します。今回は私も患者役になりました。主訴である肩背部のこりはとれたものの、風邪を起こしつつあったようで、治療後30分ほどで発熱
と倦怠感が出現しました。はじめての誤治体験でした。

指導者研修会
例会終了後、有志で指導者研修会を行いました。今回は小里方式の時に起こった誤治の調整をテーマとしました。

報告者:山森伸樹

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