12月例会の報告

平成20年12月21日 草津まちづくりセンター

午前9時40分~午後16時55分まで  
内容    
午前「基礎講義」      高柳尚子先生       
    「臨床あれこれ」   岸田美由紀先生      
        
午後「取穴」
  「基本刺鍼」
   「モデル治療」      岸田美由紀先生     
   「小里方式」
        

午前 
まず始めに二木清文先生より2008年を振り返って夏期研のお話を含め挨拶を頂いた。次に土井先生より夏期研会計の報告であった。続いて、小林久志先生司会の元臨時総会が行われ会計監査および特別会計の臨時交代の決議を行った。

最初の講義は高柳尚子先生より症例を用いて基礎講義であった。26歳・女性・足のむくみが主訴であった。そこから軽擦や切診を含め関連事項を質問し証に繋げていくという講義風景ことを行った。実際に腹診や脉診や肩上部の状態を行っていないため病理考察も証も何通りかあがってしまったしかし、考える幅が広がるという点で大変勉強になった。 次に岸田美由紀先生より臨床あれこれの講義であった。日頃の臨床スタイルなどを含め、初心者でも分かりやすいように岸田先生流の病理考察や証の導き方を詳しく丁寧に講義してくださった。また、見える気・見えない気についても触れられベテランの先生方からもご意見が聞くことが出来とても勉強になった

午後 
午後は、まず脾経の取穴から始まった。脾経は何度も取穴しているが、赤白肉の間が思っているよりも足底よりにあることを改めて確認することができた。また、陰陵泉穴は教科書にのっている場所に取ると、肝経と交差してしまうので取りにくいため、いったん陰谷穴付近まで押し上げてから取穴するとよい。取穴は簡単にされている事が多いが、しっかりと生きて働いている穴をとることは大変重要なことである。研修会の度にベテランの先生方と共に取穴の実践をすることはとても大切なことだと改めて感じている。

今回は、午前中に「臨床あれこれ」で発表して頂いた岸田美由紀先生に、発表内容の臨床を実際にって頂くこととなった。二名のせんせいにモデル患者になって頂き、岸田先講義内容からのモデル治療風景生にご自分の臨床室と同じように治療して頂いた。まず、患者さんの声や全身の気の具合を診ることから始まり、身体の外10cmくらいから寒熱の状態を診た上で問診、切診に進み、一人のモデル患者さんの本治法が終わると、もう一人のモデル患者さんの診断に移られた。午前中の講義でも説明して下さった夢分流腹診を実際に見ることができ、位置の確認や、診察の仕方も理解することができた。先月の二木先生のモデル治療と同様、二、三人の人を一人の先生が治療することで、実際の治療の流れを知ることができるため、治療の流れを理解しやすく、患者さんの身体の変化も分かりやすい。このような実技はこれからも是非取り入れてい基本刺鍼風景くと良いと感じた。

続いて、聴講生と基礎班、研修班に分かれて実技を行った。基礎班では、基本刺鍼から腹を使っての衛気営気の手法修練をしてから小里式を行った。今回基礎班には二木先生について頂いたため、各先生が普段練習している手法を確認してもらう良い機会であった。また、研修班では、岸田先生がモデル患者となって治療を行った。先に岸田先生に行って頂いた夢分流の腹診と、難経腹診を行うことで、意見を出し合いながら二つの腹診の共通点も確認することができ、大変勉強になった。

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11月例会の報告

平成20年11月19日 にき鍼灸院
  午前10時40分~午後16時00分まで   

内容 
午前 電子カルテの使い方説明(自由参加)      
   「腹部を用いての基本刺鍼修練」      
    「背部へのローラー鍼円鍼」      
    「擦火法」     
        
午後 電動ベッドの説明      
  「補助療法①井穴刺絡」        
  「補助療法②下腿から背部を緩める」
  「補助療法③知熱灸」     
  「小里方式」
  「ベッド3台を用いてのモデル治療」     二木清文先生
 

午前 
10時から自由参加ではあったのだがほぼ全員参加でのパソコンカルテ管理の講演が行われた。新患カルテの作成から再診カルテなどバックアップ重要性など書類管理との違いや利点を詳しく実演を交えながらの講演であった。

まず始めに小林久志先生・二木清文先生より挨拶を頂き早速オープン例会開始であった。午前の始めの実技は、腹部を用いての衛気・営気の手法の修練であった。肩上部・脉・腹部の状態をみてどちらの手法が適しているか考え、実際に手技を行った。手法の修練だけでなく、総合的に判断して手法を行う事の大切さを改めて確認できた。

次に擦火法とローラー鍼・円鍼行い方の二木清文先生による説明を交えながら実技開始であった。擦火擦火法実技風景法では督脈上を背部から腰部までしっかりと、右手・左手の役割を注意しながら参加者同士でお互いに交互に行った。皆さんの感想で一番多かったのは受ける側では身体の芯から温まったなど、また行う側からは開いていた理(そうり)が閉まって皮膚表面がサラッとしたなどの感想があった。最近の治療室でも風邪の患者さんが来られることが多くなりつつある状況でとても役立つ手技だと感じた。
ローラー鍼・円鍼では広く大きく背部全体を診ることや特に骨隙にあてるなどの注意してお互いに実技を行った。受ける側も気持ちが良かったなど行う側からも皮膚が光ったなどの感想が多かった。午前中の実技では緊張感もありつつ沢山の質問も飛び交って大変勉強になった。

午後 
午後は、まず初めににき鍼灸院で使われている電動ベッドについての説明があった。二木先生によると、数ある電動ベッドの中でも、使いやすさ、後々のメンテナンスのことを考えると、業界でも有名なあのベッドが良いということであった。にき鍼灸院では、治療のしやすさ、患者さんの寝やすさの両方を考慮して、ベッド幅が65cmになるように特注の天板を用いたベッドを使用しているということであったが、その他にも、実際に使用してみて感じたことや、改善点など、ここでしか聞くことのできない話をして頂き、大変参考になった。
刺絡実技風景
午後初めの実技は、補助療法である井穴刺絡や下腿から背部をゆるめる手法、知熱灸を3つのベッドに分かれて行った。まず、二木先生下腿から背部へのアプローチ風景によって実際に手技を行って頂いた。井穴刺絡は、どの経絡の井穴から刺絡するかの見極め方、注意点、鍼の扱い方など、細かく説明して下さったため、とても分かりやすく、理解することができた。標治法において、背部の緊張、硬結を緩めたい時、下腿に手技をすることで、随分背部が緩むことを実感できたことは、大変良い体験であった。また、下腿への手技は、衛気から営気、営気から衛気の手法の転換を行うことで、早く緩めることができるということであった。

知熱灸は、普段の例会では、会場の都合上行うことができないため、知熱灸実技風景治療室ならではの実技であったが、お灸の作り方から施術の仕方、注意点などの説明を受けた上で、実際に体験することができ、即臨床室で使うことができる内容であった。これらの補助療法は、実際に二木先生の手技をみて、参加者も確認できたため、貴重な時間であった。このような手法は、臨床室でもすぐ使うことができるため、参加された先生方には大変参考になったようである。 

続いて小里式では、できるだけ地方ごとにかたまらないよう二木先生が3班に分けてくださり、3つのベッドに分かれて行った。普段滋賀の例会で行っている小里式と同様に問診や切診などを行うことで病理考察を進め、証決定に進んだ。他の地方の先生方と一緒に行うことで、様々な病理の考え方もでき、活発に意見を出し合いながら治療を進めていくことができた。

最後に、二木先生によって3台の電動ベッドを用いて、実際の治療室で行われているように治療を進めて頂いた。1ベッドごとに腹診、脉診から病理考察を行い、それを説明しながら治療を進めていかれたため、患者さんの病態を把握し、病理や選穴理由まで理解することができた。普段はここまで詳し聞きながら治療を見せて頂くことはできないため、大変貴重な実技内容であった。治療室での例会のあとは、簡保の宿での温泉、懇親会であった。琵琶湖を眺めながらの入浴は格別であり、その後の懇親会では、例会の反省もしながら、例会では聞くことのできない治療の話など大変盛り上がり楽しい懇親会で締めくくりました。 .

10月例会の報告

平成20年10月19日 草津まちづくりセンター
   午前9時40分~午後5時まで   

内容    
午前「最近の治療室から」      二木清文先生     
   「臨床あれこれ」        飯田寿先生
        
午後 「取穴法」        
    「基本刺鍼」
    「子午治療」    
    「小里方式」
 

午前 
今月の例会は小林久志先生による挨拶であった。最近は株価の変動が大きく、大変な状態であるが、医療の世界でも看護師の囲い込みなど、大変な時代になっている。鍼灸学校も乱立し、卒業生の大量排出の中生き残るのためには、技術力の違いがあからさまにでてくるため、常に勉強し、学と術を研鑽していくことが大切だということであった。

今回の初めの講義は二木清文先生による最近の治療室からのお話であ講義風景った。まず初めに、病理考察が何故必要かについてだが、初心者は触って良い方向にいけば、その治療で進めても良いが、触ってわかるというレベルを目指したらダメだということであった。開業始めは、肩こりやぎっくり腰などの症状の患者さんが多いが、徐々に奔豚気やリウマチなどの患者さんが来られるようになる。症状が複雑になればなるほど病理考察の重要性を感じてくるのであろう。 続いては、最近の治療室から、小児鍼と便秘についての症例報告を交えての講義であった。最近小児鍼では、ほとんどの子供の水かきにも鍼をしているとのことであった。以前とは子供の環境、食事も代わり、体の状態が変化しているため、外的なものも考慮しながら病理状態を考え、治療できることが必要だと感じた 

次の講義は飯田寿先生による臨床あれこれであった。自分の鍼で治すことができるかできないかの見極めの必要性について、実際の臨床の話を交えて講義して下さった。1つ目の症例としては、脛骨にできた骨きょくの骨折についてであったが、この患者さんの場合、鍼をした直後に痛みが取れなかったため、普通の膝痛とは違う感じ、病院での検査を進めたそうである。同様に頸肩腕症候群と思われる患者さんも病院で検査を進めたところパンコースト腫瘍だったようである。鍼灸院には様々な症状を持った患者さんが来られるが、病態を見極めるためにも鍼をした後も感覚、病気の知識をしっかり持つことが大切であると改めて感じた。
午後 
午後の初めの実技は肺経の取穴であった。太淵を取穴する際は、手を背屈、尺側へ屈曲して取ると穴が取りやすい。他の経穴でも、取穴をする時はその穴をひきのばして取ると取りやすいことがよく分かった。また魚際についても、小指と母指をを対立運動させて取るなど、取穴しやすい形を覚えることは大切である。 基本刺鍼は、いつものように二人一組になり行った。腹を用いての基本刺鍼修練をしていることで、各先生が今まで以上に衛気営気の違いをつけて刺鍼できるようになっているように感じた。
 
子午治療では、片側に強い症状がある人がいなかったため、擬似的に治療を行った。肩こりや腰痛がある人へ子午治療をすることで、肩や腰の痛み、違和感が他覚的にも自覚的にも減少しことを確認する小里式実技風景ことが出来た。子午治療は、片側のみの強い症状を持つ患者さんが来られた時に劇的に症状の軽減をみることができるため、治療室でも使用していきたい。 

今回の小里式は、研修班1班、基礎班1班、聴講班1班に分かれて行った。基礎班では、なかなか病理考察が進まなかったため、間違っていても、自分が考えた病理考察をいうことで、意見を交換しあい、一層みんなの病理に対する考えが深まり、治療も深いものになっていくと痛感した。

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9月例会の報告

平成20年9月21日 草津まちづくりセンター 

  午前9時40分~午後5時まで   
内容    
午前「夏期研反省会」     
    「基礎講義」         木村知恵先生
        
午後「取穴法」        
   「基本刺鍼」
   「腹診」~病理産物の見つけ方~       
   「小里方式」
 

午前 
今月の例会は二木清文先生による挨拶であった。リーマン社の倒産など時事ネタを加えながら、これからの保険と医療についての話をして下さった。鍼灸は、これまで保険なしでやってきたが、それ以外にも待ち時間がないこと、痛みのない鍼であることなど、漢方鍼治療の強みを生かし、これからもしっかり勉強していこうとのことであった。
今回の基礎講義は木村知恵先生による病理考察の講義であった。実際に病理がなくても治療は出来るが、病理考察をして証を立て講義風景ることで、治療の幅が広がると、病理の大切さを述べられた。今回も小阪先生と同様の形式で講義が進められた。まず、参加している先生が順に問診をし、4大病型を絞っていき、証決定まで進んでいった。しかし、講義が進むに連れて、情報が多すぎ、まとめにくくなってきたため、ベテランの先生がまとめるという形となった。ベテランの先生は多くの情報の中から必要なものをしっかりまとめ病理考察をすることで証決定できており、病理考察の大切さを痛感した講義であった。

 
午後 

午後の初めの実技は胆経の取穴であった。胆経は腓骨を目安に取ると良く、腓骨が筋に隠れる部分を懸鐘として取穴するほか、腓骨にの長さをめやすに光明、陽輔をとることができる。 続いて基本刺鍼では、いつもと同様二人組で衛気営気の手法を行った。今月は、夏期研後の基本刺鍼ということもあり、各自が夏期研で学んだことを教え合いそれを検証しあいながら行ったため、得ることも多い基本刺鍼であった。

次に腹を使っての衛気営気の手法修練では、まず腹診を行いどちらの手技が必要かを確認した上で手技を行った。衛気、営気の手法がしっかり出来ていればいるほど、手法の違いによる身体の反応の大きさに驚かされた。いつも、腹診をしてどちらの手法が必要かを決める時、細かいことを考えがちだが、皮膚のざらつきや、理(そうり)の開き具合など、大きな点で捉えることの大切さを学ぶことが出来た。 

今回の小里式は、研修班2班、基礎班1班、聴講班1班に分かれて行った。聴講班では、二人の治療を行ったが、治療を受けた聴講生も、自小里式実技風景分の身体の変化を感じたようである。鍼をして、反応を確認することも大切であるが、ベテランの先生の治療を受けて、実際に自分の身体で変化を感じることも大変意義深いことである。研修班、基礎班では、病理考察をした上で選経、選穴を行ったが、夏期研を経ることで、剛柔選穴を使うなど、治療の幅も今まで以上に広がり、活気ある小里式であった。今月は、指導者研修会の時間に滋賀漢方の夏期研打ち上げを行った。打ち上げを行うことで、第15回夏期研が本当に終わったのだと実感しながら、楽しい時間を過ごすことが出来た。

8月例会の報告

平成20年8月17日 草津まちづくりセンター

   午前9時40分~午後5時まで   
内容 
午前 ロイヤルホテルオークにて夏期研の下見
        
午後「継続講義」        二木清文先生
   「取穴」
   「基本刺針」     
   「小里方式」
 

午前 
今回は夏期研1週間前ということで最後の詰めで各会員が当日どのように動けばよいか最終確認のために会場であるホテルに行って来ました。どうしても会員が少ない分会場案内、研修中の動き等に無駄がないようにホテルの構造、当日使用する研修会場と食事の場所の移動、トイレの位置、受付。当日の人の流れをイメージするには時間を取って下見した甲斐がありました。

午後は下見を終えていつもの会場である草津まちづくりセンターに戻り昼食をとった後、今年の4月から夏期研に向けて継続講義を担当していただきました二木清文先生の最後の講義でした。 これまで4月から今回で5回目になります講義は初心者でも解るレベルから夏期研のテーマであります「証決定への手順」に話は移っていきました。脉診・腹診・体表観察・軽擦・取穴・衛気の手法・栄気の手法と盛りだくさんの内容でお話していただきました。初心者には短期間にかなりのレベルの話をしていたので難しかったかもしれませんが、ベテランの先生にも聞き応えのある内容だったのではないでしょうか?
 
午後 
午後の初めの実技は取穴でした。今回は「ちょっとあやふやな取穴」をテーマに下合穴である「委陽」「上巨虚」「下巨虚」と取穴しました。そしてそれらを取穴するのに目安となる「足三里」「豊隆」「条口」も取穴しました。この辺りの取穴は滋賀漢方では高頻度で使用するため重要である割りには先生によってあやふやであるため夏期研でも滋賀の会員が率先して正確な取穴ができるよう今回テーマに挙げました。以外にバラツキがあったようでしっかり練習しておきたい経穴でした。

基本刺鍼実技風景

次に基本刺鍼では先月に続いてお腹を使っての基本刺鍼の練習を行いました。夏期研の基本刺針でも、この形態をとって練習するということで夏期研さながら衛気と栄気の手法の正確性の判断には自分の行っている手技ができているか、できていないか初心者でもわかる練習法です。家に帰ってもできる、また友達同士でもできる練習法なのでしっかりと身につけようと思いました。 

続いて小里式では、聴講生のベッドと、他2つのベッドに分かれて治療を行いました。聴講班では自然体での立ち方、てい鍼の押手・刺し手。衛気と栄気の使い分けなどを学びました。研修班では、まず体表観察を行いそのモデル患者の病態が気・津液・血のどれが一番問題かを確認しあい、脈状を予想します。続いて脈診を実際してみて予想と合致しているかを確認。脉と体表観察が合致していれば予想通りの病理とみて治療に移ります。そしてその病理から五要穴の選穴まで予想しそれが一経で良いか二経(子経と母経)まで補うかを予想します。また、予想と異なる場合は何故違うのか考察病理から考え直します。そして正確な証へと導きます。

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7月例会の報告

平成20年7月20日 草津まちづくりセンター  

   午前9時40分~午後5時まで   
内容    
午前「臨床あれこれ」        飯田寿先生  
   「継続講義」        二木清文先生
         
午後「取穴」
   「打撲の治療」
   「基本刺針」     
   「小里方式」
 

午前 
あいさつでは二木先生が8月の夏期研に向けて準備を始めた2年前からの話しをし、当日の役割分担を確認しました。
 

午前の講義1題目は、飯田寿先生による「臨床における失敗した例」というテーマで講義されました。 光線療法(スーパーライザー)で頸部に星状神経節ブロックを目的に施術した際、新人のスタッフが勝手に設定を変えた後に確認しないまま次の患者に使用してしまい火傷をさせてしまった例でした。院長としてスタッフへの教育や管理の怠慢を反省すると共にその際、損害賠償保険を使ってみたがなかなか保険で賄われる上限額などが分からず、患者への対応もしっかりできなかったこと嘆いておられました。 また、鍼治療をした後に逆に痛くなったという患者を例に挙げて、クレーム対応についてお話しされました。

今日2題目は、二木清文先生による継続講義でした。先月、駅のホームから転落した二木先生ご自身の症例を挙げてこの1ヶ月間の経過をお話されました。 自分の症例を細かく分析し、病理考察をして何故そのように治療をしたのかを報告をしていただきました。 次に漢方鍼治療での証決定において重要となる陽実・陽虚・陰実・陰虚の4大病型に加え陽盛・陰盛について1つずつ例を挙げて説明しました。

午後 
午後の初めの実技は肺経の取穴でした。生きて働くツボは教科書とはかなり違った場所にあるので一穴一穴しっかりと確認していきました。 次に転落後1ヶ月の二木先生の病態を望診、切診を通して把握するとともに、打撲の状態も確認しました。打撲した腰部はまだ少し腫れていました。
 
基本刺鍼では先月に続いてお腹を使っての基本刺鍼の練習を小里実技風景行いました。 続いて小里式では、聴講生のベッドと、他2つのベッドに分かれて治療を行いました。聴講班では自然体での立ち方、てい鍼の押手・刺し手。衛気と栄気の使い分けなどを学びました。研修班では、まず体表観察を行いそのモデル患者の病態が気・津液・血のどれが一番問題かを確認しあい、脈状を予想します。続いて脈診を実際してみて予想と合致しているかを確認。脉と体表観察が合致していれば予想通りの病理とみて治療に移ります。また、予想と異なる場合は何故違うのか考察病理を考え直します。
  

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6月例会の報告

平成20年6月15日 草津まちづくりセンター

   午前9時40分~午後5時まで   
内容    
午前「基礎講義」         小坂尚徳先生  
   「継続講義」        二木清文先生     

午後 「取穴」
    「打撲の治療」
    「営衛の手法」      
    「小里方式」
 

午前 
会長の挨拶では最近読まれた本の中のスタチンという物質について話して下さった。スタチンはコレステロールを下げる薬として日本人によって発見されたのだが、アルツハイマーや骨粗鬆症、リウマチにも効果があると言われ、まだ未知の部分も多い物質である。我々が行っている漢方鍼治療は、まだ科学的には証明されていない気を操作して行っているが、これもいずれ何百年後かには証明される日も来るであろう。自分たちが行っている治療に自信を持って日々臨床を行っていこうというお話であった。
午前の初めの講義は、基礎講義であったが、今回から、基礎講義を各先生が順に受け持ち、進められていく形式となった。今月は小坂先講義風景生の担当で、一つの症例をあげて、皆でディスカッションをしながら行っていくというものであり、あげられた主訴に対して皆が順に問診を行った。あらかじめ記された望診や、順に行った問診内容より、寒熱、虚実、四大病型を考え、病理考察をして証を立てていった。全員参加型の講義のため、全員が常に考えながら進められ、色々な先生の意見を聞くことで、自分の知識を増やしていくことが出来る大変充実した講義であった。

次の時間は、二木清文先生による継続講義であった。二木先生は地域清掃のため、遅れての参加であったが、その道中ホームから転落され、負傷されての講義となった。ご自身の転落体験と、身体の変化を病理を説明しながら講義されが、このような大変な体験をも、病態を見る機会に変えられる二木先生には臨床家としての姿勢を感じた。 今回の二木先生の講義は、漢方はり治療で調整の対象となる衛気と営気についてであった。普段臨床で重要な衛気と営気であるが、今回定義を再確認することで、衛気の手法、営気の手法が何を目的にしているか、どのように作用するかをもう一度理解し治すことが出来た。今回の講義を聴き、営衛の手法をしっかり区別することの大切さを改めて感じた。腹部を使っての営衛の手法の鍛錬をしっかり続けていきたい。

午後 
午後の初めの実技は腎経の取穴であった。太谿穴は、足底を屈曲して取穴すると内踝の後方になるが、屈曲せずに取穴するとやや足底よりに位置している。このようなことは、臨床経験から得られた取穴法であり、臨床経験の浅い先生は、その取穴法によって得られた穴の反応をしっかり覚えることが大切である。 

転落後の病態確認風景

次に転落後の二木先生の病態を望診、切診を通して把握するとともに、打撲の状態もしっかり確認した。転落(落馬)では、脾虚肝実になることが多いと古典にもあるが、脉診、腹診から、しっかり肝実の脉と腹部の状態が確認できた。脾虚肝実証で、火穴を使って本治法をすると同時に、打撲された腰部には瀉法鍼を加え治療を行った。転落後の状態から、治療前後の病態も確認でき、大変勉強になった。 

基本刺鍼では先月に続いて腹診による基本刺鍼の練習を行った。小里式実技風景この練習法では切診により、衛気か営気どちらの手法が必要かを見極める鍛錬と同時に、自分が行いたい手法がしっかり出来ているか確認することが出来る。初心の先生は、特に自分の手法をベテランの先生に確認してもらえる大変良い機会である。 続いて小里式では、聴講生のベッドと、他2つのベッドに分かれて治療を行った。回を重ねるごとに、病理考察も深まり、先生方の意見も活発に飛び交うようになっている。

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5月例会の報告

平成20年5月19日 草津まちづくりセンター  

   午前9時40分~午後5時まで   
内容    
午前「臨床あれこれ」       二木清文先生  
   「特別講演」        二木清文先生    

午後 「取穴」
    「基本刺鍼」
    「営衛の手法」       
    「小里方式」
 

午前 
今月は二木清文先生による挨拶で、夏期研修会の準備状況についての報告でした。夏期研修会まであと3ヶ月となり、着々と準備は進んでいるそうです。また、後期高齢者医療制度や社会保険庁解体により、これから先医療の現場で変化が起こってきますが、その中で鍼灸はどのようになるかについて話して下さいました。医療がどのように変わろうとも、自分の額学と術を磨き、しっかり治療できるよう、日々学んでいくことが大切だと感じました。

午前は、二木清文先生による継続講義でした。 陰陽、五行など、東洋医学の基本や、気血津液について話してくださいました。また、証については福島弘道先生や池田政一先生の言葉を引用して分かりやすく説明してくださり、証の大切さを改めて認識しました。二木先生の臨床の例を通して、証という概念があれば、患者さんの受け渡しも可能であるということがよく分かりました。証決定への手順として選経選穴を含めて詳しく講義してくださいましたが、経絡と経穴は双方向にお互い補い合うものであり、選経と選穴は同時進行で一体と考えるものだと言われたことが印象的でした。選穴する際は、色々な考え方はありますが、患者さんの病症より、各ツボの作用を考え、生理、病理に基づいた運用が大切だと思いました。

次の時間は、引き続き前半の二木先生の講義に対する質疑応答の時間を取って頂きました。標治法に関する質疑応答より、衛気営気どちらの手法が必要かをしっかり見極めて施術することが大切であると感じました。また、二木先生は標治法の時、まず全体を整えてから、気になる部分に施術を加えていくということでしたが、標治法においても、細部にとらわれることなく、全体と細部の調整が大切だと思いました。

午後 
午後の初めの実技は肝経の取穴を行いました。曲泉穴を取穴した際に、腎経の陰谷穴の取穴法も教えて頂きましたが、両方とも膝関節取穴風景を深く屈曲することで、より正確に取穴できるのである。 次は基本刺鍼を行いましたが、今回は聴講生と会員の先生がペアになり行いました。聴講生に説明しながら基本刺鍼を行うことで、基本を見つめ直すことができて、勉強になりました。また、聴講生は、マンツーマンで基本刺鍼を教えて頂くことで、疑問点を質問しやすかったようでした。

次は3つのベッドに分かれて、お腹に基本刺鍼を行い、手技の確認をしました。まずはじめにその身体には衛気か営気どちらの手技が必要かを腹診を通して予想した基本刺鍼実技風景上で、衛気と営気の刺鍼を行いました。身体が必要としている手技を行った場合は腹、脈、肩上部全てが良い状態になりましたが、必要としない方の手技をした場合は、身体の状態が崩れてしまいました。手技の違いによって、これほど大きく体の状態が変わることに驚くとともに、この方法は、基本刺鍼の修練として、大変良い方法だと感じました。
今回は聴講生ベッドでは岸田先生が指導してくださいました。聴講生の班では岸田先生に実際に治療をしてもらい、身体の変化を確認してもらいました。その他のベッドでは、午前の二木先生の講義内容である証決定の手順をもとに、選経、選穴を行い軽擦に進みました。それぞれの先生が使用しようと考えるツボの理由を述べるなど、しっかり説明できる治療を行いました。

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4月例会の報告

平成20年4月20日 草津まちづくりセンター  

  午前9時40分~午後5時まで   
内容    
午前「2008年度総会」       
   「特別講演」        二木清文先生   

午後「取穴」
   「軽擦」
   「腹診」      
   「小里方式」
 

午前 
今月は会長による挨拶でした。後期高齢者医療制度や特定検診制度が始まり、医療の現場においても変化が起こっていることを述べられました。病気を未然に防ぐという意味では、東洋医学は力を発揮できる分野であり、今後我々が出来ることは多いということでした。会長がおっしゃるように、これからの高齢化社会において我々の役割は大きいと感じました。

午前は、始めに2008年度総会を行い、その後から講演に入りました。 今月は、二木清文先生による特別講演でした。「漢方はり治療の歴史と夏期研に向けて」、と題し講義風景まして、経絡治療の始まりから、漢方はり治療の証決定への手順など、幅広くかつ分かりやすく講演してくださいました。 手当て(治療)をするうちに経絡というものが確立され、その経絡を運用する目的で鍼灸が開発されたと聞き、治療をする上で、目的とすることを忘れては行けないと思いました。そしてもう一度、治療とは、鍼灸とは、経絡とはということを考える良い機会となりました。 古典の話を聞くことで、古典とは生命体としての感覚が優れていた祖先が残してくれた知識の宝庫であることを改めて感じました。また、脉状診や病理考察に基づく証決定を行っている漢方はり治療のの素晴しさも再確認しました。最後に今年の夏期研のテーマでもある「証決定への手順」について講演してくださいました。用いる経絡と経穴を選んだ両方の理由が必要であり、それには生理と病理をしっかり考え、説明の出来る治療をしてくことが大切であるということでした。それは、まさに滋賀で行っていることであり、夏期研に向けてもっと深めていくことが大切だと思いました。
午後 
午後の初めの実技は脾経と胃経の取穴を行いました。いつもはベテランの先生が取穴の指導をしてくださいますが、今回は中堅の先生の指導のもと取穴を行いました。教える側になるこ軽擦実技風景とで、取穴の確認が出来ると同時に、学ぶこともたくさんあるため、このように進めていくことはとてもよいと感じました。 
次は軽擦を行いました。従来通り大きく軽擦してから、徐々に小さくしていき、取穴するという方法とともに、指の側腹でツボ付近を軽く軽擦する方法を教えて頂きました。軽擦する時、指のあたりを軽くするためのコツも教えて頂いたため、しっかり練習して身につけることで、取穴も更に正確になると思いました。 腹診の練習では、病理産物を確認し、病理を考えて選経選穴に進み、治療を行いました。人に治療を説明できるようになるためにはとても大切な練習方法だと感じました。
 
今回は聴講生が多かったため、小里式では、聴講生のベッド2台とその他2つのベットに分かれて行ないました。聴講生の班では、姿勢や基本刺鍼、軽擦を行い、二木先生と高柳先生に実際に治療をしてもらい、身体の変化を確認小里式実技風景してもらいました。その他のベッドでは、実技の前半で行ったことをもとに、問診や切診で得た情報を総合して選経選穴を行い治療まで進めました。各先生が病理を説明しながら進めていったためとても勉強になりました。 参加された先生の感想 今回の実技では、目標として今まで学んできた病理産物と 臨床内容(選経・選穴など)を上手くリンクさせて治療に 移ることができるようになろうと、考えて参加させていた だきました。結果から言うと、指導・治療して下さった先 生方により患者のWさんは治療できましたが、私の中では、 勉強不足の為か患者の病態からどうしても私にとって理解 しやすい病理産物と病態の関係を作ってしまいがちでした。 次回は、今回の反省を踏まえて病理産物とのリンクを上手 く見出せるような鍼治療を完成できるように心がけたいと 思います。

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