1月例会の報告

平成20年1月18日 草津まちづくりセンター 

  午前9時40分~午後16時30分まで   
内容   
午前「基礎講義」        土井麻琴先生      
    「剛柔治療法」      小林久志先生      
        
午後 「取穴」        
    「基本刺鍼」
    「菽法脉診」         
    「小里方式」
  
午前 
今回の挨拶は、会長の小林久志先生による挨拶であった。景気が悪く、占いなども流行る今日この頃、運気というものを取り上げると同時に、運命と宿命ということについて話してくださった。運命は変えられるものであり、今は即過去になり、今を変えればそれがよい過去になり、良い状態を続ければよい未来になる。そのため、心の持ち方、目標を持って前向きに進むことが大切であるということであった。個人的にも今年一年の決意を持つと共に、滋賀漢方鍼医会の目標、計画を持って進んでいきましょうと、新年始めの例会での素晴らしい挨拶であった。
 講義風景
最初の講義は土井麻琴先生による基礎講義であった。昨年は、各先生に五臓の生理について発表して頂いたが、それを頭に入れた上で病理を考えていけるようにしていきたいとのことであった。そこで、今回は腰痛や、動悸を主訴としてあげ、あらかじめ証を立てた状態から、何故その証になったかを考えていく形で講義が進められた。前回と同様に、各先生にそれぞれ考えを述べてもらいながら、最後に「日本鍼灸医学」をもとに、その病症が出るまでの流れを述べるという形であったが、臨床経験は様々であるが、多くの先生の考えを聞くことで、より多くの方向から考えることが出来るようになる。又、自分が普段どのように考えているかということを再認識することが出来た。
 
午前中後半は、小林久志先生による、剛柔選穴についての講義であった。以前から剛柔選穴については、講義して欲しいという声が多く挙がっていたため、大変楽しみであった。五運六気の説明から始まり、難経33難についても分かりやすく説明して下さった。今まで理解が困難であった33難も相剋調和の利を用いて説明して下さったことで、大変分かりやすく理解することが出来た。又、全てのものは陰と陽の性質を持っているということは理解していたものの、臓の中のの陰や陽を補うという考えを持って臨床することの大切さを改めて実感した。それと同時に古典の大切さを再確認することが出来た講義であった。
午後
午後は、まず肺経・膀胱経の取穴から始まった。肺経の取穴の注意点としてあげられたのだが、目的とする経絡を引き伸ばしておくことで、肺経にかかわらずその他の取穴を正確にするだけでなく、治療効果を大きく向上出来ることを再確認できた。また、しっかりと生きて働いている穴をとることは大変重要なことである。研修会の度にベテランの先生方と共に取穴の実践をすることはとても大切なことだと改めて感じている。 基本刺鍼実技風景
次に、衛気・営気の基本刺鍼をペアを組んでお互いに手法を行いお互いに改善点などを指摘し合いとても良い刺激になった。その他、自然体でいることの大切さを再確認できた。
 引き続き今回は二木先生指導の元で菽法脉診の修練を行った。中指を橈骨形状突起に当て示指・薬指を沿えて手関節前面横紋に平行にスライドさせた重さが丁度三菽なのだが、十五菽から三菽まで指を軽くしていく練習を行ったのだが、なかなか最初に取った三菽の軽さにならず悪戦苦闘をしながらも脉診の大切さを感じた。 脈診実技風景
続いて、聴講生、基礎班と研修班に分かれて小里方式を行った。今回基礎班には小林先生と岸田先生御指導のもと、腰痛のある久保田先生がモデル患者となり治療を行った。また、研修班では、風邪で体調不良でおられた木村先生がモデル患者となって治療を行った。季節柄風邪をひかれておられる患者さんが多いため、大変勉強になった。 
今月は例会終了後『 新年会 』が開かれどの先生方も頬を赤らめ楽しんでおられるようであった。食事も美味しくいただけ、先生方の貴重なお話もお聞きできとても素晴らしい時間であった。 

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12月例会の報告

平成20年12月21日 草津まちづくりセンター

午前9時40分~午後16時55分まで  
内容    
午前「基礎講義」      高柳尚子先生       
    「臨床あれこれ」   岸田美由紀先生      
        
午後「取穴」
  「基本刺鍼」
   「モデル治療」      岸田美由紀先生     
   「小里方式」
        

午前 
まず始めに二木清文先生より2008年を振り返って夏期研のお話を含め挨拶を頂いた。次に土井先生より夏期研会計の報告であった。続いて、小林久志先生司会の元臨時総会が行われ会計監査および特別会計の臨時交代の決議を行った。

最初の講義は高柳尚子先生より症例を用いて基礎講義であった。26歳・女性・足のむくみが主訴であった。そこから軽擦や切診を含め関連事項を質問し証に繋げていくという講義風景ことを行った。実際に腹診や脉診や肩上部の状態を行っていないため病理考察も証も何通りかあがってしまったしかし、考える幅が広がるという点で大変勉強になった。 次に岸田美由紀先生より臨床あれこれの講義であった。日頃の臨床スタイルなどを含め、初心者でも分かりやすいように岸田先生流の病理考察や証の導き方を詳しく丁寧に講義してくださった。また、見える気・見えない気についても触れられベテランの先生方からもご意見が聞くことが出来とても勉強になった

午後 
午後は、まず脾経の取穴から始まった。脾経は何度も取穴しているが、赤白肉の間が思っているよりも足底よりにあることを改めて確認することができた。また、陰陵泉穴は教科書にのっている場所に取ると、肝経と交差してしまうので取りにくいため、いったん陰谷穴付近まで押し上げてから取穴するとよい。取穴は簡単にされている事が多いが、しっかりと生きて働いている穴をとることは大変重要なことである。研修会の度にベテランの先生方と共に取穴の実践をすることはとても大切なことだと改めて感じている。

今回は、午前中に「臨床あれこれ」で発表して頂いた岸田美由紀先生に、発表内容の臨床を実際にって頂くこととなった。二名のせんせいにモデル患者になって頂き、岸田先講義内容からのモデル治療風景生にご自分の臨床室と同じように治療して頂いた。まず、患者さんの声や全身の気の具合を診ることから始まり、身体の外10cmくらいから寒熱の状態を診た上で問診、切診に進み、一人のモデル患者さんの本治法が終わると、もう一人のモデル患者さんの診断に移られた。午前中の講義でも説明して下さった夢分流腹診を実際に見ることができ、位置の確認や、診察の仕方も理解することができた。先月の二木先生のモデル治療と同様、二、三人の人を一人の先生が治療することで、実際の治療の流れを知ることができるため、治療の流れを理解しやすく、患者さんの身体の変化も分かりやすい。このような実技はこれからも是非取り入れてい基本刺鍼風景くと良いと感じた。

続いて、聴講生と基礎班、研修班に分かれて実技を行った。基礎班では、基本刺鍼から腹を使っての衛気営気の手法修練をしてから小里式を行った。今回基礎班には二木先生について頂いたため、各先生が普段練習している手法を確認してもらう良い機会であった。また、研修班では、岸田先生がモデル患者となって治療を行った。先に岸田先生に行って頂いた夢分流の腹診と、難経腹診を行うことで、意見を出し合いながら二つの腹診の共通点も確認することができ、大変勉強になった。

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