5月の例会報告

平成22年5月15日 草津まちづくりセンター    

午前9時40分~午後16時30分まで  

内容

午前「難経読み合わせ」             佐野佑介先生 

    「各臓の病症と治療について」      二木清文先生     

午後 取穴(WHO標準経穴の確認) 

基本刺鍼

小里方式

午前は小林久志先生による会長挨拶から始まりました。

例年の気候にはじまり、琵琶湖の生態環境についてのお話につづいて、滋賀名物である鮒寿司から食についてのお話をしてくださいました。

シーズンになると花粉症でマスクが手放せない方を見かけることになりますが、小林先生の周辺の農家の人達は、周りが多くの花粉で飛び散る中でもかかったことがないそうです。
自然と調和して生きるということが本来の人間の姿なのかもしれないと考えさせられました。
鍼灸で治してやるんだという考えをはじめは持つものだが、それだけでは不十分というお話から、環境や食事は患者さんの自然治癒力に大きな影響を与えるということを改めて考える機会となりました。
患者さんへ指導する立場として、我々施術者も見本にならなければと思いました。

また、他の勉強会への交流のお話がありました。いろんな会のいいところを少しずつ取り入れることで治療の幅も広がることから、会でも研究し、より良い治療を目指していきたいとお話がありました。

午前最初の講義は、佐野佑介先生による「難経読み合わせ」でした。15難の読解進行をしていただきました。15難は、四季と方位が五臓との結び付きから四季の脈象を説いています。

四季それぞれにどういった脈像になるのかは学校教育で学びますが、知っている言葉でも、実際体験してみないと理解がしにくいものです。講義の後の質疑応答ではイメージをする為にわかりやすく教えて欲しいと声があがり、臨床に出ている先生方からヒントを学ぶことができました。わかりやすく説明する為には、頭で理解することに加え、臨床で経験を積むことで言葉にも広がりが出るものだと感じました。

次に二木清文先生による基礎講義「各臓の病症と治療について」のお話でした。

今月は聴講生の参加が多かった為、当会の治療方針の説明が入りました。臨床経験も絡めながら、経絡のバランスと自然治癒力についてのお話をしてくださいました。鍼灸では禁忌である骨折についての治療のお話は、経験のない者にとっては興味深いものでした。

今回の講義は脾虚陽虚証についてでした。

脾胃の生理、陽気の性質、脈の見方を復習しながら学ぶことが出来ました。
また、治療をするにあたって、バランスが崩れたものを戻す為に崩れたところ全ての五行を使うのではないこと、熱を取り払うのも、昔のようにはじめから荒い手段を使うのではなく、補って全体を整えるというのが現代では適しており、その上で手段を考えるというお話がありました。

午後は新取穴書発行にあたり、二木先生のお話につづき、WHOにおける経穴部位標準化の背景について佐野先生に説明をしていただきました。

今回の取穴は肺経と大腸経をみていきました。

井穴をはじめ、尺沢の臨床で使う場合の部位の確認、特に経渠は分かりづらく、何度もそれぞれで手を取り合い確認をしました。

次に、腹部を使っての基本刺鍼を行ってゆきました。

聴講班はベッド2台に分かれ、岸田先生、若森先生が指導にあたりました。

基礎班は木村先生の指導を受けました。順に衛気と営気の刺鍼練習を行いました。
今月から姿勢のチェックをする為、一人一人撮影して客観的に自分の姿勢を確認しました。

続いて、聴講班・基礎班2台づつ、研修班は1台のベッドに分かれて小里方式を行いました。

聴講班では土台となる基礎をしっかり学び、基礎班ではモデル患者を診ながら診察・証決定へとつなげました。

研修班では今後テーマを決めて実践していくようで、より充実したものとなりそうです。

今回は聴講生を含めると30名以上となり熱気で溢れました。
興味を持たれた学生の皆さん、先生の皆さん、和やかで温かい滋賀漢方鍼医会に一度お越しください。また、わからないことがあれば何でも聞いてみてください。

一緒に笑って楽しく勉強出来れば嬉しいです。お待ちしております。

                    報告ページ担当 大野沙織

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