平成23年10月16日 草津まちづくりセンター
午前9時40分~午後16時30分まで
内容
午前「難経読み合わせ」 中尾俊哉先生
「各臓の病症と治療について」 二木清文先生
「気功指導」 中尾俊哉先生
午後 取穴(実践的な取穴練習)、小里方式
午前は小林久志先生による会長挨拶から始まりました。
世界的不況の話から始まり、ご自身が病気にかかったお話をされました。
ここ最近自身の状態がおかしく病院へ行かれたそうですが、医師からのポリープ疑いから胆石の痛みだったことが判明し、胆嚢摘出を免れたとのこと。
普段痛みが出ることから自己治療を続けているという話を聞きました。
病気を経験することで病気の人の痛みや気持ちがわかる、
自分の治療を確かめて観察することが大切で大事だということでした。
そういう意味でも自分が病気をしたら自分で治療をしてみることを薦められました。
午前最初の講義は、中尾俊哉先生による「難経読み合わせ」でした。
今月は20難の読解進行をしていただきました。
20難は10難で述べた一脈十変をはじめとする脈象の変化を陰陽によって分類説明したものです。中尾先生より普段使わない言葉や重陽、重陰と聞き慣れない言葉の説明がありました。
文の中で精神錯乱病の脈とあり、それは興奮性のものと抑鬱性のものがあり、なかでも鬱の人にみられる脈は細く沈み気味という話になりましたが、全てがそうなのかどうかという質問がありました。
それは、体の状態変化よりおこったものの鬱と、心からおこった鬱のものとでは違うのではないかというところに行き着きました。
また、浮脈はどのようにみればいいのかという質問には、脈は蔵の影響が大きく占めるため、先に治療対象とするのは蔵であり、そこから腑がみえやすくなるということでした。
20難は臨床であまり重視しないことから、少し離れた質問が飛び交い、先生方より臨床の話を聞くことができました。
次に二木清文先生による基礎講義「各臓の病症と治療について」のお話でした。
今回の講義は肝虚陽虚証についてでした。
病理の説明と臨床の話を交えてお話くださいました。
基礎講座の前にアップル社のマッキントッシュの話題から、現代は選択肢が沢山あり高いものから安いものまで選べるようになってきたことで質を見極める時代になってきたという話を、オリジナルで特殊である当会のてい鍼治療に例えられました。いいものが時代に残り、それが次の世代へ伝えられていく、世間で当たり前になっていく。鍼灸の分野で我々は最先端となるという言葉には力強いメッセージがありました。また、実際に業界で活躍されている先生方が当会と同じ考え方に気づき、今までの治療方法ではいけない場合もあると言われていることから、既に当会は一歩前へ出ているのだと確信したところでした。
午前の最後の講義は、中尾先生の気功指導でした。
今月は先月出来なかった背骨を緩める動作を教えていただきました。
午後の実技は取穴からはじまりました。
今回は腎経と心包経をみていきました。
特に中衝の取り方が全く異なりざわめきが出ましたが、脈をみるとなるほどとなりました。
当会では臨床に役立つ経穴の取り方を学んでいます。
取穴の次は聴講班、基礎班と研修班合同とに分かれて基本刺鍼をしました。
聴講班は水戸先生が指導してくださいました。
合間にお茶の時間を挟み、実技の後半は聴講班1台、基礎班と研修班合同で3台のベッドに分かれて小里方式を行いました。
モデル患者になると患者さんがどのような感じで受けておられるのかがわかりますし、鍼の感覚もわかりとても勉強になります。小林班では2人を目標で2人目は3分治療となりましたが、それでも基礎刺鍼と違い、3点セットがより気持ちのいい仕上がりになったのを確認することが出来ました。
今月の例会後の指導者研修会では、「基礎実技特訓講座・腹診」が行われました。
通常は入会して半年の会員対象の研修会ですが、基礎の特訓ということで入会してまもない先生も参加ができます。このような機会は今までなかったのでとても貴重でありがたい勉強の場となっています。来月からもしばらく続きます。
今月は腹診から病理を考え証決定、3点セット(肩・脈・お腹)で確認するのを目標としました。
ベテランの先生から指導を受けながら、新人会員はなんとか考え答えを出すのですが、もうひとつ自信が持てずに固まりました。二木先生がぐだぐだの様子を伺いながら指摘・誘導をしてくださいました。間違っていてもいいから、自分はこう思うということを伝えることでそこから議論が始めることが出来ます。今後もどんどん意見が出れば、より広い目で考える機会が作れそうです。
興味を持たれた学生の皆さん、先生の皆さん、和やかで温かい滋賀漢方鍼医会に一度お越しください。また、わからないことがあれば何でも聞いてみてください。
一緒に笑って楽しく勉強出来れば嬉しいです。お待ちしております。