2月の例会報告

平成24年2月19日 草津まちづくりセンター
午前9時40分~午後16時30分まで  

内容
午前
「難経読み合わせ」      桑原知子先生   
「各臓の病症と治療について」 二木清文先生  
「気功指導」         中尾俊哉先生    

午後 
取穴(実践的な取穴練習)、小里方式

午前は二木清文先生による代表挨拶から始まりました。
8月に行われる漢方鍼医会20周年記念大会にむけての言葉とともに、
本部での挨拶とは重ならないよう配慮した内容で、アップル社のスティーブジョブズと漢方鍼医会をリンクされました。昨年10月の基礎講義でも同様のことをお話されましたが、今回はスティーブジョブズの生い立ちからアップル社がどのようにして過去の商品を開発販売してきたのかを鮮明に聞くことが出来ました。
20周年記念大会では新しいテキストや、学校では学ぶことのできない臨床で使える生きたツボを取るために作成された取穴書が会員の手元に届く予定です。
準備が出来た今、道具を使ってどうするのか?鍼でどう出来るのか?ということを追求し、
鍼で幸せになれるということを目指していきたいとお話がありました。

午前最初の講義は、桑原知子先生による「難経読み合わせ」でした。

 

今月は25難の読解進行をしていただきました。
25難は、心主・心包の経を手の少陰心経の別脈としながらも、1つの経脈として位置づけることを説明したものです。三焦は無形の陽経とあるが、臓腑を包んでいたり全身を巡るツールとして形があるのではないかという自身の疑問より、各先生にそれぞれの意見を求められました。
「形というものより水の流れというイメージ、津液の通り道というものや、特に考えたことがないという意見、形があるかないかというのは議論されてきているがいまだわかっていない」という話が出ました。
普段深く考えない部分を掘り下げていく作業になりましたが、現状では感覚の範囲と収まりました。

次に二木清文先生による基礎講義「各臓の病症と治療について」のお話でした。

今回の講義は腎の病についてでした。腎とそれぞれの蔵の関係、腎虚陽虚証、腎虚陰虚証についての説明がありました。先天と後天の気の働きを老舗の鰻屋のつぎ足しタレと例えるなど今月もユーモアな表現がありました。
また、臨床においての衛気と営気の見方、穴の2階建ての気の層の説明は、今まで受身のまま受け入れていたなかで新たな教えであり納得のいくものでした。

午前の最後の講義は、中尾先生の気功指導でした。
今月は太極拳でおこなわれる重心移動を行いました。

午後の実技は取穴からはじまりました。

今回は胃経と小腸経をみていきました。
経絡の流れは直線ではなく肌肉に沿って取ることから、連線という言葉を会でよく使われるのですが、
今回も胃経で確認をしました。当会では臨床に役立つ経穴の取り方を学んでいます。
取穴の次は聴講班、基礎班と研修班合同とに分かれて基本刺鍼をしました。

刺鍼風景

 

聴講班は若森先生が指導してくださいました。

聴講風景

合間にお茶の時間を挟み、実技の後半は聴講班1台、基礎班と研修班合同で3台のベッドに分かれて小里方式を行いました。

 

 

基礎講義の話で出た四十九難をする機会があり、机上と実技が一体化した場面もありました。
ベテランの先生方に誘導してもらうことで新しい引き出しが増えることに喜びを感じます。
そういう場面では自分ではたどり着かない答えに自信をなくしがちなのですが、
何が正しくて間違いかというものはないのだということを改めて教えていただいたように思いました。

今月の例会後の指導者研修会では、「基礎実技特訓講座・望診、聞診」が行われました。
いつもは治療をしないのですが、流れで行われました。
鍼の仕上がりに不満の先生に、二木先生が指摘をし確認しながらの共同作業で仕上げていく流れは、例会ならではの場だと感じました。

興味を持たれた学生の皆さん、先生の皆さん、和やかで温かい滋賀漢方鍼医会に一度お越しください。
また、わからないことがあれば何でも聞いてみてください。
一緒に笑って楽しく勉強出来れば嬉しいです。お待ちしております。                 

報告ページ担当 大野沙織 .