4月の例会報告

平成24年4月15日 草津まちづくりセンター    

午前9時40分~午後16時30分まで  

内容

午前 通常総会  

「鍼灸師の夢を語れパート3」井上利和先生、中谷美紀先生、平島正大先生   

    
午後 取穴(取穴の際の姿勢練習)、小里方式

 

午前は小林久志先生による新年度の会長挨拶から始まりました。

毎月勉強会を続けているが、何でも一つのことを続けていくということは一つの才能であるということから、小さな変化を続けていくとある時に大きな変化が劇的に起こる瞬間があり、そのためには小さな変化の積み重ねがあってこそ起こることであり、我々の勉強にも言えるとのこと。古典を読んでいても分からなくても、気の感覚がわからなくても、続けていくうちにわかるようになってくることもあるため、継続するということは大切なことであり、今年度も一回一回を真剣に取り組んで充実したものとなるよう前進していきましょうとお話がありました。

つづいて平成24年度通常総会が行われました。

午前の最後は3回目となります「鍼灸師の夢を語れパート3」。今年は井上先生、中谷先生、平島先生の3人の先生方のお話を伺うことができました。

一人目は井上利和先生のお話でした。

井上先生は京都から長野へ引越しをされ、自宅の一部で鍼灸院を開業されました。もともとは視覚、身体障害者の施設で働いた時に鍼灸というものを知り、その時は自分が鍼灸を目指すとは思ってはいなかったということでしたが、将来の進む道について悩んだときに鍼灸師を目指すこととなりました。卒業後はマッサージの訪問リハビリの勤務をされていたということで、今後はその経験を生かして訪問の分野も積極的にしていきたいとのことでした。京都に居た時はてい鍼は補助的なものとしてしか使っていなかったが、現在は全ててい鍼で行い自分でも驚くほど結果がいいということでした。

二人目は中谷美紀先生のお話でした。

中谷先生は鍼灸師の免許を取得後、教員養成課程に進まれ今年卒業をされました。鍼灸とは親の病気がきっかけとなり出会い、目指すことになりました。また自身の持病から体調がすぐれないことがあり、学校の臨床でていしん治療と出会いました。卒業後は鍼灸整骨院やアルバイトをし、生計を立てるにはどうすればいいのかと学校の先生を目指すことにしたようです。現在は二木治療院で助手として勉強されています。今の夢は自分の家族がまず幸せであるというのを目指して、次に患者さんのことをきちんと考えられるように、しっかり治療ができるようになりたいというお話がありました。

三人目は平島正大先生のお話でした。

平島先生は今年の春に鍼灸学校を卒業されました。鍼灸に出会うまではフリーターとして生計をたてていました。そんななか親族が次々と倒れ、自身も緊急手術、集中治療室に入る経験をしたということもあり、家族が頼りにしていた宗教の先生に相談したところ悪い方向が止まったそうです。それからはその先生のところへ弟子入りされ勉強していたのですが、生計を立てるために鍼灸師を目指すことになりました。当初から働くことが好きではないということでしたが、学生時代にあるきっかけで鍼灸師を本気で勉強したいと思うようになり、現在は鍼灸師として鍼灸整骨院、鍼灸院での研修の日々で腕を磨くことに意欲を燃やしているお話が聞けました。

普段は聞くことのない幼少の頃のお話や鍼灸師になるまでのお話は大変興味深いもので、今後も毎年続けていきたい企画となりました。

会長の小林先生から

三人に対してそれぞれの方にメッセージを送られました。そして、ていしんは効かなさそうと思えるけど効いてしまうので魅了されていくということ、鍼灸師でも信じられないくらいという状況のなか、体験した刺さない鍼の響きが不思議でのめりこんだこと。自身の体調がすぐれないときは自己治療をして鍼の感覚、気の感覚を磨くことを是非していただきたいとお話をしてくださいました。

代表の二木先生から

治療というのは力任せになんとかしようという考えが鍼灸師も患者側にもあるという話があり、関西ではよく「サービスで鍼多めに打ってや」ということに「サービスで少なめにしときます、すきっ腹にお酒はあかんように、今日の、今の100パーセントにします」という表現をされていたようです。刺激というものに飼いならされていない限り、やりすぎない、もうちょっとしたいという気持ちを抑えたほうが成功につながる、今日の100パーセントという考えをもつというお話をしていただきました。

 

今月の午後の実技は取穴をする際の姿勢をしました。

取穴の次は基礎班と研修班合同とに分かれて基本刺鍼をしました。

 

聴講班は二木清文先生が担当くださいました。

 

つづいて今月は基礎班と研修班とに分かれて、3台のベッドで小里方式の前半を行いました。

合間にお茶の時間を挟み、小里方式の後半を行いました。

今月は例会後に懇親会がありました。来月からは通常通り指導者研修会があります。今までは入会半年経ってからの会員でないと参加が出来なかったのですが、本年度より入会間もない方でも参加できるようになりました。入会間もない場合でも、やる気があれば何かしら吸収できるのではないかという配慮があり制度が改定されました。

興味を持たれた学生の皆さん、先生の皆さん、和やかで温かい滋賀漢方鍼医会に一度お越しください。また、わからないことがあれば何でも聞いてみてください。

一緒に笑って楽しく勉強出来れば嬉しいです。お待ちしております。

                 報告ページ担当 大野沙織 .