6月の例会報告

平成24年6月17日 草津まちづくりセンター

午前9時40分~午後16時30分まで  

内容

午前「難経読み合わせ」  前田小百合先生 

  「基礎講座」  若森千明先生

  「気功指導」  中尾俊哉先生

    
午後 取穴(実践的な取穴練習)、小里方式

午前は小林久志先生による会長挨拶から始まりました。

原発再稼動についてのお話がありました。報道は限られた情報でしかなく、真実は周りの圧力によって規制がかかり本当のことが明らかにされないというジレンマ。自分の利益のためだけに動く一部の人もいるということから鍼灸と交えてお話くださいました。

故 福島弘道先生(東洋はり医学会創設者)は自分が鍼灸を勉強したかったが目が見えないということで勉強の場に入れてもらうことができなかった、なので自分が立ち上げた会には分け隔てなく対応し、良いもの全てを教えていこうという考えだったこと。全体のことを考えると一人でいい技術を隠すのではなく、広めるということは腕のいい鍼灸師が増えるということ。いい鍼灸師が増えると患者さんが増える。そして患者さんが増え、需要が増えると自分のところにも患者さんが来てくれる・・ということは、結局のところ「自分の為にもなる」ということになるという、当会でもこの一見出来そうで出来ないことを当たり前のようにやっているのですが、小林先生から今後も積極的にこの考えでやっていくという志の高いお話を聞くことができました。

午前最初の講義は、前田小百合先生による「難経読み合わせ」でした。

今月は29難の読解進行をしていただきました。29難は奇経八脈の病症について述べられています。質疑では奇経を使う時の判断はどうしているかという疑問に対して各先生方から応答がされました。こういう場面では使うなど決まりはないようですがそれぞれ臨機応変に使われることがあるとのことでした。

次に若森千明先生による基礎講座「各臓の病症と治療について」のお話でした。

今月は「気血津液論」「気の思想」の読解をしていただきました。講義の最後には若森先生より他の先生方へ「気とはなんぞや?」と聞く、若森先生らしい茶目っ気のある問いがあり、先生方それぞれの気についての考え方を聞くことができました。

 午前の最後の講義は、中尾先生の気功指導でした。


今月も基本となる重心移動の一連の動きを行いました。

午後の実技は取穴からはじまりました。


今月は肺経をみていきました。
取穴は漢方鍼医会が独自にまとめあげた取穴書に基づくものであり、一般的なツボの取り方と異なる部分も多くあります。ひとつひとつ丁寧にみていきました。
当会では臨床に役立つ経穴の取り方を学んでいます。

取穴の次は基礎班と研修班と合同で基本刺鍼をしました。

鍼を浮かせると勝手につぼが反応してくれるんだというお話から、では今やっていることは・・(笑)というつっこみがありましたが、それはそれ、これはこれといったように、やはり経絡上を正確に触れるということや経穴にぴたっと当てる正確さは必要でありますから、誘惑に負けず(笑)、各自引き続き気を引き締めて練習をしました。

つづいて基礎班と研修班で3台のベッドに分かれて小里方式を前半・後半の2部に分けて行いました。

 基礎班では皆で協力し、どの経絡を触れるといいかどうかがわかってきました。そこでこれでいいだろうというところまで納得できる結果を出すことができたのですが、「いいところまできているがこうすればもっとよくなる」と修正を頂き、爪の甘さを指摘されました。そして修正後は劇的な改善がみられたので基礎班一同は驚き、肩をおとしたのでした。

聴講班は岸田先生が担当くださいました。

 例会後は指導者研修会が行われました。

興味を持たれた学生の皆さん、先生の皆さん、和やかで温かい滋賀漢方鍼医会に一度お越しください。また、わからないことがあれば何でも聞いてみてください。

一緒に笑って楽しく勉強出来れば嬉しいです。お待ちしております。

                 報告ページ担当 大野沙織

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