平成24年9月16日 草津まちづくりセンター
午前9時40分~午後16時30分まで
内容
午前「難経読み合わせ」 那須先生
「基礎講座」 二木清文先生
「気功指導」 中尾俊哉先生
午後 取穴(実践的な取穴練習)、小里方式
午前は二木清文先生による代表挨拶から始まりました。
8月25・26・27日は東京で漢方鍼医会の20周年大会・夏期研修会が行われました。今回の夏期研修会では、新たな取穴書(DVD付き)が参加者に配布され、その取穴書委員会のメンバーであった二木先生から、当時のメンバー内のお話やDVD制作での苦労話を聞くことができたのですが、通常業務もある中、ほとんど休みなし、睡眠時間も削っての大作だったということを知ることができました。完成したものを手に入れるのは簡単なのですが、これも多くの先輩方の様々な努力があってこそだということで身の引き締まるような思いです。
別日には東京で鍼灸の学生さん(100~120名)に対しての伝統鍼灸の実演含めた講義をされた時の報告もいただきました。関東は人口も多く、鍼灸師も鍼灸院も民間サロンも多く競争も激しいため、学生の頃から「このままでは卒業しても食べていけない」と危機感を持ち、いろいろ回ってどこかの勉強会へ参加する学生が多いのに対して、関西や名古屋の一部では「学校を卒業してから考えよう」「まずは国家試験」という姿勢が多く、それではだいぶ甘いという指摘がありました。ちなみに、10年前の関東が今の関西の考え方だったようです。よって、10年後に向けて関西の各研修会は学生を受け入れる体制をもっと整えていく必要性、関東では東京漢方だけでなく沢山分割して受け入れていく必要性を感じられたそうです。
また、ロンドンでのパラリンピックに例えての鍼灸業界の話では、自分が何かを開発していくという、研究していくという姿勢が必要で、ずっと誰かに教えてもらうという姿勢ではいけないといったメッセージがありました。
午前最初の講義は、那須先生による「難経読み合わせ」でした。
今月は32難の読解進行をしていただきました。32難は心・肺の位置についての別の見方、機能分類上からみて陰陽論的に矛盾しないことについて述べられています。
那須先生はまだ鍼灸の学生なのですが、滋賀漢方では全員が会に参加することで、受け身にならないよう順番に担当することになっています。しっかりと下準備をした上での講義は、学生だからということは全く感じることはなく見習うべきところがありました。
次に二木清文先生による基礎講座「各臓の病症と治療について」のお話でした。
今月は「心・小腸の生理と病理」の読解をしていただきました。
臨床経験を交えながらの講義となり、大変充実した内容でした。その中で興味深かったものは心の亢進は子どもに当てはまるということで、子どもは邪念なくちょっとしたことでもケラケラ笑うもので、よく笑う子どもというのは一般的にいう健康体であるが、子どもであまり笑わないという子は心臓・中枢関係にやや難があるのかなという見方をするといった話でした。そういえば昨年小児はりに来た小さな患者さんはあまり笑わないおとなしい子が目立ち、振り返ると症状も重なっていたように考えることが出来ました。心虚証についての見解については質疑応答で盛り上がりました。
午前の最後の講義は、中尾先生の気功指導でした。
今月も基本となる重心移動の一連の動きを行いました。
午後の実技は取穴からはじまりました。臨床で使う生きたツボを取る練習をしています。
8月末にあった東京での夏期研修会で指導を受けた会員が混乱し、以前より基本刺鍼が雑になったというのは笑えませんでしたが、今回経験していてよかったとのことでした。夏期研修会では、普段の例会とは違い、全国より先生が参加することで色んな考え方を教えてもらうことがあります。それを上手くその場で吸収できればいいのですが、慣れてきたことを修正するということは少し時間がかかりまだ完成できていなかったようです。
参加した会員はそれぞれに課題を持ち帰っての例会でしたので、いつも以上に真剣なまなざしでした。
つづいて基礎班と研修班で3台のベッドに分かれて小里方式を前半・後半の2部に分けて行いました。
ちょうど肉離れをおこしていた会員がいたので二木先生がマーカーで線を引き、皆で確認しました。寫法鍼でずいぶんと楽になり、驚きながらも、引き出しが増えたことに喜んだのでした。
聴講班は二木先生が担当くださいました。
例会後は指導者研修会が行われました。
病理考察を徹底して学ぶことをテーマにしました。ちなみに、今月10月は脈状について学びます。2年後の滋賀で行われる夏期研修会に向け、全体のレベルアップに燃えています。 初めて参加の方も参加できますので、是非奮ってご参加くださいませ。
興味を持たれた学生の皆さん、先生の皆さん、和やかで温かい滋賀漢方鍼医会に一度お越しください。また、わからないことがあれば何でも聞いてみてください。
一緒に笑って楽しく勉強出来れば嬉しいです。お待ちしております。
報告ページ担当 大野沙織