平成25年3月17日 草津まちづくりセンター
午前9時40分~午後16時30分まで
内容
午前「難経読み合わせ」 安江明彦先生
「基礎講座」 大野沙織先生
「気功指導」 中尾俊哉先生
午後 取穴(実践的な取穴練習)、小里方式
午前は二木清文先生による代表挨拶から始まりました。
最近の臨床での脈診についてお話をしてくださいました。二木先生の師の師の先生は独学で脈診を勉強された方だったそうです。色んな本を読んでやっと4年かけて臨床で使えるというところまできたのだそうですが、独学で脈診を習得するというのは非常にまれなことで、現代では仕事としてやっていくには習得に時間がかかりすぎてしまうことから、やはり手から手へ教わることが一番の近道だということです。二木先生が助手時代の時には、師より「とにかく脈状を覚えろ」とそれだけだったようです。そして脈を両手で見て症状を聞いて脈と患者さんの症状を照らし合わせる作業を重ねていったとのことでした。また、難経では片手の脈診をしていたということを知った時には衝撃を受けたそうですが、現在の臨床では両手だけでなく片手ずつの脈診もしているようです。
取穴をする上で最近行っていることでは、経絡のわざとはずれたところから広く軽擦していくと経の中心が浮かび上がってくるのでその中心からはずれないように軽擦することで、脈だけでなく、体の変化も良くなり、脈のしゅくほうに収まることがわかったそうです。先月の実技で早速指導をいただく場面がありました。
午前最初の講義は、安江明彦先生による「難経読み合わせ」でした。
今月は38難の読解進行をしていただきました。38難は臓と腑の数について解説したものになります。
臨床で三焦をどのように使用しているかという質疑に対しては適応する証にはじまり、三焦を陽気ととらえ全身の生命力を表すということから指を見て生命力を判断するという話もあり、津液を巡らす目的や全身の陽気を巡らせるためによく用いるという話がありました。
今月は「腎・膀胱の生理と病理」の読解をしていただきました。
午前の最後の講義は、中尾先生の気功指導でした。
今月はひとつひとつの動きにどのような意味があってしているのかをご指導いただきました。
午後の実技は取穴からはじまりました。臨床で使う生きたツボを取る練習をしています。1ミリでもずれると効果も半減してしまうため、最も神経を集中させる時間でもあります。
一人がツボを探し体表の経絡上を触れていくのですが、腕や足の丸みに沿って経絡も触れなければいい脈が出ません。同じ経絡を触れて同じツボを取っても結果が思わしくないのはこういう細かな違いによって生まれます。目の見えない先生からは「慣れるまでは雑でもいいからランドマークを手探りで見つけてから取ったほうがいい」と指導を受けました。
つづいて次は基礎班と研修班と合同で基本刺鍼をしました。
滋賀漢方では、刺さないはりという「ていしん」を主に勉強しています。基本刺鍼は土台となる部分でこれを疎かにしては何も出来ません。過去に手技の合格を頂いても不合格を頂くことがあります。日を追うごとに上手くなればいいのですが、安心という魔物が存在するようで日数が経つと徐々に歪が大きくなり、自分のクセが自分の足をひっぱるということになりかねません。一度出来たといって気を緩めることのないよう日々訓練が必要だと感じたのでした。
つづいて基礎班と研修班で3台のベッドに分かれて小里方式を前半・後半の2部に分けて行いました。
過去に滋賀で研究していた陽経腹診を教わることがあります。
聴講班は岸田先生が担当くださいました。今月は指導者の勉強として中谷先生が入りました。
例会後は指導者研修会が行われました。
興味を持たれた学生の皆さん、先生の皆さん、和やかで温かい滋賀漢方鍼医会に一度お越しください。また、わからないことがあれば何でも聞いてみてください。
一緒に笑って楽しく勉強出来れば嬉しいです。お待ちしております。
報告ページ担当 大野沙織