8月の例会報告

平成25年8月18日 草津まちづくりセンター

午前9時40分~午後16時30分まで

内容

午前「難経読み合わせ」  前田小百合先生

「基礎講座」  桑原知子先生

「臨床発表」  大野沙織先生

午後 取穴、基本刺鍼、小里方式

 

午前は小林久志先生による会長挨拶から始まりました。

今年は梅雨明けが早く、残暑厳しいなか、熱中症をおこす人が多かったのですが、なかでも重症化するのは、腎虚である年配の方、腎がまだ発達していない子供が多いという話がとても興味深いものでした。熱と水、腎の病理の話もわかりやすく説明がありました。

小林先生は5月頃から体調を崩され、先月は研修会を欠席されました。一人でも勉強は出来るけれど、研修会の中で生きた話を聞くだけで知らず知らずにうちに自分の力になっていくことから、皆で勉強することが大事だということを痛感しているというお話。また、恩恵を受けた分を次の人へ繋げていくのも会員の役目としてあるというお話をしてくださいました。

 

午前最初の講義は、前田小百合先生による「難経読み合わせ」からはじまりました。

今月は43、44難の読解進行をしていただきました。それぞれ解剖についての記述がされています。食事や便通、エアコンのある環境、熱中症について、現代人の病気の変化の話を交えた質疑応答が盛んに行われました。

 

次に桑原知子先生による基礎講座「不内外因」でした。

 

午前最後の講義は大野沙織先生による「臨床発表」でした。苦戦した肩疾患の患者さんについての臨床発表がありました。

 

午後の実技は取穴からはじまりました。臨床で使う生きたツボを取る練習をしています。1ミリでもずれると効果も半減してしまうため、最も神経を集中させる時間でもあります。

 

つづいて次は基礎班と研修班に分かれて基本刺鍼を行いました。

基本を疎かにしてしまうと思うような治療が出来ません。確実に前へ進んでいくためには一歩一歩着実にしていかなければなりません。モデルのお腹を使いますと、肩、お腹、脈の3点セットの確認が出来ますので滋賀では徹底して指導が行われています。

 

つづいて基礎班と研修班、4台のベッドに分かれて小里方式を行いました。

証を決めたのはいいが、治療穴の選択を誤ると思うようなスッキリとした変化を出すことが出来ません。今回はいいところまでいったにもかかわらず、脈の数が落ち着いていないという事実を甘く判断してしまい、指摘を受けました。「これくらい一穴で決めろよ!」とサラッと言い放たれた姿が格好いいなと思うと同時に、何で気付けなかったんだろうという悔しさで、スッキリしないもやもやが抜けなかった班全員は思わず笑ってしまいました。

 

聴講班は岸田先生が担当くださいました。

 

例会後は指導者研修会が行われました。

研修会というのは、受け身で学ぶという形ではなく、自らが参加し、意見交換を行い、明日への臨床などに繋げることができる実のあるものです。今まで手と手で指導いただいた分を次は自分が新しく入会された先生方に引き継ぐことで、更に理解が深まっていきます。まだまだ自分には実力がないから・・と、つい敬遠してしまいますが、研修会後の指導者研修会に参加するということは貴重なステップアップになります。

思うようにいかず失敗しても、全然わからなくてへこんでしまっても、はたまた周りに迷惑をかけてしまったと自分を責めたとしても、意外と気にしているのは自分だけだったりします。その分後で何倍にもプラスに膨らませてお返しできればいいのではないでしょうか。

興味を持たれた学生の皆さん、先生の皆さん、和やかで温かい滋賀漢方鍼医会に一度お越しください。また、わからないことがあれば何でも聞いてみてください。

一緒に笑って楽しく勉強出来れば嬉しいです。お待ちしております。

報告ページ担当 大野沙織