2017年7月の例会報告

日時 7月16日(第3日曜日)
会場 市民交流プラザ(小会議室1)
草津市野路一丁目15番5号フェリエ南草津5階
電話:077-567-2355
研修時間  9時40分から16時55分まで

研修内容
9:40 出席者点呼・会務報告
10:00 素問輪読(13) 「『素問』五蔵別論(11)、異法方宜論(12)」進行:中谷美紀先生
10:50 休憩
11:00 臨床あれこれ 発表:原先生、中川先生 司会:山森先生
12:00 昼食

<聴講班・基礎班・研修班>13:00~16:40
13:00 【標治法】円皮鍼
13:30 取穴 手陽明大腸経
14:00 基本刺鍼
14:30 小里方式(前半)
15:30 休憩
15:40 小里方式(後半)
16:40 反省会
17:00 例会終了

朝の挨拶
朝の挨拶は二木先生でした。この日は祇園祭宵山の日にあたりましたので13年前の思い出話をした後、担当の時にはいつも話す症例発表をされました。
症例は2例。今年の夏は非常にぎっくり腰が多いとのことで、まず1例目にぎっくり腰で来院された患者さんにについて話されました。ぎっくり腰は通常の治療をしたあと、取りきれない痛みには先月と今月実技で行っている円皮鍼が非常に有効であること、そしてぎっくり腰の時の脈状についても話されました。
2例目は患者さんがぎっくり腰だと訴えて来院したがぎっくり腰ではなかった例でした。結局この患者さんは足の指の骨折が原因となり、なかなか腰痛が治らなかった例で、これがわかったのもぎっくり腰の脈ではなく、骨折の脈を打っていたために判断できたとのことでした。

朝の挨拶2017年7月
朝の挨拶2017年7月

素問輪読
素問輪読の担当は中谷美紀先生でした。今回は『素問』五蔵別論篇第十一と異法方宜論篇第十二について担当されました。
五蔵別論篇第十一では奇恒の腑と寸口脈、鍼治療をしても効果が上がらない患者について、異法方宜論篇第十二では中国を東西南北中央の5つに分け、それぞれの気候や生活環境に応じて鍼治療や灸治療、導引、漢方薬治療が発展してきたことが述べられていました。
中谷先生はそれぞれの篇を読んで、今まで深く理解していなかったことが古典を読むことでよくわかるようになり、改めて古典を読むことの重要性に気づいたとのことでした。その後はご自身の治療経験を交えながら読んでいて感じたことや他の資料で補足しつつ進めていきました。

素問輪読2017年7月
素問輪読2017年7月

臨床あれこれ
臨床あれこれは2人の先生に30分ずつ臨床に関わるお話をしていただきました。まず始めに原先生が運気論について話をされました。運気論は非常に難解で理解しにくいものでしたが、基本的なところから説明していただき、運気2017ということで運気論から今年の気候傾向はどのようになると予測されているかを説明されました。
2人目は中川先生が打鍼術について説明と実技をされました。始めに打鍼術の鍼の説明と用い方の説明をしたあと実技をされました。実際に受けてみると脊際の緊張を弛めるため脊際に鍼を立て、軽快に木槌で打たれると思ったほど衝撃がなく、脊際の筋肉がほぐれていくのを心地よく感じました。

臨床あれこれ(1)2017年7月
臨床あれこれ(1)2017年7月
臨床あれこれ(2)2017年7月
臨床あれこれ(2)2017年7月
臨床あれこれ(3)2017年7月
臨床あれこれ(3)2017年7月
臨床あれこれ(4)2017年7月
臨床あれこれ(4)2017年7月

実技
午後からの実技は始めに先月の続きである円皮鍼の実技を行いました。その後は、聴講班1班、基礎班1班、研修班2班にわかれ、聴講班は基本的な脈診や腹診の仕方、基礎班、研修班は手の陽明大腸経の取穴と手法修練の基本刺鍼、モデル患者を使って治療する小里方式をそれぞれ行いました。

実技風景(1)2017年7月
実技風景(1)2017年7月
実技風景(2)2017年7月
実技風景(2)2017年7月
実技風景(3)2017年7月
実技風景(3)2017年7月
実技風景(4)2017年7月
実技風景(4)2017年7月

毎月の例会録音データも販売しております。興味をもたれましたらこちらからどうぞ。

報告者:岸田美由紀

2017年6月の例会報告

日時 6月18日(第3日曜日)
会場 草津市立まちづくりセンター(309号室)
電話番号077‐562‐9240
研修時間  9時40分から16時55分まで
研修内容

午前
9:40  出席者点呼・会務報告
10:00 素問輪読(12) 「『素問』五臓生成篇」 進行:小林先生
10:50 休憩
11:00 基礎講義 「第3章病因論 第1項素因~第2項内因」 発表:井上先生 司会:野間先生
12:00 昼食

【聴講・基礎・研修】13:00~16:40
13:00 【標治法】円皮鍼の使い方
13:30 【4月のパネルディスカッション検討会】 3先生による合同実技
14:30 小里方式(前半)
15:30 休憩
15:40 小里方式(後半)
16:40 反省会
17:00 例会終了

・あいさつ  小林先生
まずは近況報告から始まりました。次いで私(報告者)が先月バルセロナで行ったセミナーに触れ、その報告ページを作ってはどうかとの提案をされました。
次に最近の治験から、両脚の疼痛を訴える小5男子の治療について、邪論の肝病で大腸経の三間と小児鍼を施すと痛みが完全に消失するものの効果が長続きせず治療に苦慮している。よきアドバイスがあれば、ということで話を結びました。

朝の挨拶2017年6月
朝の挨拶2017年6月

・素問輪読(12) 五臓生成篇 進行:小林先生
五臓と五味、五臓と顔色との肝経、血の働きなどについて述べられた篇です。尺膚の感触や三焦経と薬指の関係、更には顔色の変化の仕方によって予後の良不良がわかる。古典を実践するときの態度など、非常に興味深い講義でした。

素問輪読2017年6月
素問輪読2017年6月

・基礎講義 「第3章病因論 第1項素因~第2項内因」 発表:井上先生
素因では、各臓の体質を理解する方法として、自分の身近にいる人や有名人に重ね合わせるのがよいという話でした。また、内因では、随所に現代医学の文献を参照し、フロアの先生達からの助けを受けながらのわかりやすい講義でした。

基礎講義2017年6月
基礎講義2017年6月

実 技
・円皮鍼を使ったギックリ腰の処置法 二木先生)
先生自身がギックリ腰を起こしていたので、自らの身体を教材にして指導されました。円皮鍼は痛むところではなく経絡の流れが滞っているところに貼付すること、患部への瀉法鍼、ゾーン処置など、非常に参考になりました。

・三先生による合同実技
4月のパネルディスカッションを受けて、岸田先生、私、二木先生が1人の模擬患者を診察しました。
その結果、岸田先生は脾病、私は寒邪による肝病、二木先生は脾虚肝実(肝実を邪と考える)と、三者三様の証となりました。

・腹部を用いた手法習練(二木先生)
今回は、鍼を留めておく時間によって三点セットへの影響が異なることを皆で確認しました。殆どの人が留める時間が長いために鍼の効果を半減させていることがよくわかりました。概ね1・2秒くらいがよいようです。

・小里方式
今月は、基礎班を岸田先生が、研修班を二木先生、小林先生がそれぞれ担当しました。

実技風景(1)2017年6月
実技風景(1)2017年6月
実技風景(2)2017年6月
実技風景(2)2017年6月

・指導者研修会
例会終了後、有志で指導者研修会を行いました。

報告者:山森伸樹