2025年10月の例会報告

日時:2025年10月19日(第3日曜日)
会場:草津市民総合交流センター(キラリエ草津)
電話:077-561-7700
研修時間 10:00~16:00まで

【午前】10:00~12:00
・朝の挨拶と会務報告
・臨床検討会「五十肩」
・標治法 押し流す処置

【午後】13:00~16:30
・脈診修練
・基本刺鍼 衛気/営気の手法 顔面部への衛気の瀉法
・取穴法(足の太陽膀胱経)
・小里方式

今回は、聴講生としてお二方が参加されました。

【午前】
・朝の挨拶と会務報告 二木先生

プロ野球、阪神がクライマックスシリーズ3連勝で通過、また昨日メジャーリーグ大谷選手が大活躍された話題から始まりました。先日開催された日本伝統鍼灸学会では実技が盛況であったこと。また次世代の育成が鍼灸業界全体、そして当会においても重要な課題であることをお話しされました。先の大谷選手のように、憧れの存在となるような鍼灸師であることが大切だと述べられました。

・臨床検討会 「五十肩」
まず岸田先生から、現在では五十肩が「関節包の炎症」と定義されているというお話から始まり、続いて各先生方からこれまでの五十肩の治療にまつわる苦労話や発見、現場で活用している経穴や施術内容について教えていただきました。
本治法の重要性や、他疾患との鑑別、自発痛の治療にていしんが非常に有用であること、テーマを発案された藤崎先生からは柔整の視点で、解剖学的な面からの考察についてもお話しいただきました。

臨床検討会「五十肩」2025年10月

先生方の質問から、肩関節疾患に対する補助療法を実演していただくことになりました。
さらにこの流れで、次回11月の治療室例会では「ストレッチ講習」をしていただくことも決まりました。

・実技講習
 1. 大胸筋の緩め方・自重を利用した肩関節亜脱臼の矯正(二木先生)

臨床検討会「五十肩」大胸筋のゆるめ方2025年10月

臨床検討会「五十肩」自重による肩関節矯正2025年10月

 2. 巻き肩の矯正(小林先生)

臨床検討会「五十肩」肩鎖関節矯正2025年10月

亜脱臼に対する自重の活用では、患者自身に脱力してもらうことが意外と大変だったり、巻き方の矯正ではクロール様の運動で肩がゴリゴリ鳴るモデルがいたりと、学びが多く大いに盛り上がった実技講習となりました。

・標治法 押し流す処置

押し流す治療2025年10月

【午後】
・脈診練習 菽法脈診

二人一組になって、菽法の位置に正しく指を当てるための練習を行いました。
また、先月診せていただいた二木先生の「骨折の脈」も再び確認させていただきました。

脉診修練2025年10月

・基本刺鍼 衛気/営気の手法 顔面部への衛気の瀉法
はじめに、二人一組になって、腕に衛気/営気の手法を施し合いました。互いの問題点を確認し、改善のためのアドバイスを行いました。
次に、モデル患者の腹部を使って手法の練習を行いました。衛気・営気のどちらの手法が適しているかを判定し、あえて先に適さない手法から行った後、
適した手法を行いました。その過程で、指導者が各手法の問題点や改善点について指導しました。

基本刺鍼(1)2025年10月

基本刺鍼(2)2025年10月

モデル患者の顔面部へ衛気の瀉法を行うことで、抜鍼のタイミング、その際の感覚をつかむ練習をしました。適切な手法ができた場合の腹部の緩み等も確認しました。
 
・取穴法(足太陽膀胱経)
今月は、足太陽膀胱経から京骨・金門・委陽・委中の取穴を練習しました。

取穴2025年10月

・小里方式
二班に分かれて小里方式進行表に基づき、それぞれ役割を決めて実技を行いました。
聴講の先生にはモデル患者として、実際の治療を体験していただきました。

小里方式(1)2025年10月

小里方式(2)2025年10月

報告者 中嶋

2025年9月の例会報告

日時:9月21日(第3日曜日)
会場:草津市民総合交流センター(キラリエ草津)302号室
電話:077-561-7700
研修時間 10:00~16:30まで

【午前】10:00~12:00
会務報告
臨床あれこれ 「原因不明の右下腿の腫れの治療」 岸田先生
伝統鍼灸学会 シンポジウム リハーサル  二木先生
ビデオ撮影

12:00 昼食・休憩

【午後】13:00~16:30
菽法脈診・ 取穴法(手の太陽小腸経)・基本刺鍼など基礎実技
小里方式

【午前】
・挨拶と会務報告 小林先生
まず、猛暑の中、母親の部屋のエアコンが故障しかけたため、新調した話から始まりました。そこから、視覚障害者協会の行事で関西万博に行き、4つの国のパビリオンを見学し、大屋根リングも歩いた話へと移り、最後に、臨床では膝や腰など複数の痛みを訴える女性患者の原因が足首の歪みにあると判断。捻挫歴が多く関節が不安定で、本治法により改善の兆しは見られたが、整復法に不安があり、詳しい技術を知っている人がいたら教えてほしいと話を締めくくりました。

会務報告2025年9月

・臨床あれこれ 岸田先生
原因不明の右下腿の腫れに対し、肺虚肝実証で約2か月間治療を続けた結果、下腿部の腫れは徐々に改善し、歩行や正座もできるようになった症例を発表しました。

臨床あれこれ2025年9月

・シンポジウムのリハーサルと動画の撮影 二木先生
10月に開催される伝統鍼灸学会のシンポジウムに向けて、リハーサルを行いました。 続いて、シンポジウム内で上映する実技動画の収録をしました。
しかし、1回目の撮影では後半部分が撮れておらず、再収録。トラブルがありつつも、どうにか撮影を終えました。

シンポジウムのリハーサルと動画の撮影(1)2025年9月

シンポジウムのリハーサルと動画の撮影(2)2025年9月

【午後】基礎実技
・脈診修練
はじめに、二人一組になって、各瀉法に正しく指を当てる練習をしました。
次いで、二木先生が右大腿部を疲労骨折したということで、骨折の脈を見せてもらいました。
そして、骨折の患部に瀉法鍼を打ち込むことで骨折の脈が改善し、胃の気が出てくるのを観察しました。

脈診修練2025年9月

・基本刺鍼
はじめに、二人一組になって、腕に衛気・営気の手法を施し合いました。 その際、互いの問題点を確認し、改善のためのアドバイスをしました。次に、モデル患者の腹部を使って手法の練習をしました。 まず、どちらの手法が適しているかを判定し、あえて先に適さない手法を施した後、適した手法を行いました。 その過程で、指導者が各手法の問題点や改善点について指導をしました。 さらに、モデル患者の顔面部を用いて、衛気の瀉法の練習もしました。

・取穴
今月は、手太陽小腸経から腕骨・陽谷・養老・支正の取穴を練習しました。

・小里方式
二班に分かれて、「小里方式進行表」に基づいて進めました。

小里方式(1)2025年9月

小里方式(2)2025年9月

報告者 文:山森 写真:鶴留