ありがとうございました、夏期研滋賀大会
(報告2、実技研修)
漢方鍼医会の夏期学術研修会の特徴とは、何といっても実技研修が充実していることです。参加者は習熟度によって入門部・普通部・研修部には別れますが、目指すは《漢方はり治療》の修得と完成であります。講師陣が運営上組織されますが、研修会でありますから参加する全員が参加費を支払い身体と身体でぶつかり合いながら切磋琢磨を毎年繰り返している漢方鍼医会最大のイベントであります。
過去にも夏期研で初めて取り入れられた実技というものがありましたけど、今回で最も特徴的だったのは腹部を活用して衛気・営気の手法修練が実施されたことでしょう。
体表観察の応用から、「この病体には衛気の手法が必要なのか?営気の手法が必要なのか?」を見極めることができ、適合した手法が施されれば当然身体は改善します。逆に適合しない手法であれば、身体は悪化します。これを応用して衛気・営気のどちらの手法も施すことにより、手法が適切であるかの臨床的な修練へとつなげることができるという実技です。
つまり、漢方鍼医会で研修していれば全ての会員の手法は客観的にも統一されることとなり、これは数だけはある経絡治療の研修会の中でも画期的なシステムの導入ではないかと考えます。国家試験のために実技時間が削られている鍼灸師育成の時代においても、客観的な手法修練が行えるようになったことは実技の目玉になったのではないかと自負しています。
実技のもう一つの目玉として、舞台上に出演者が登場して手元はビデオプロジェクターで拡大投影をしながら行った、実技シンポジウムがありました。右上の写真実技を、ビデオでもご覧頂けます。
ビデオ 福島先生の実技風景
鍼灸の専門家が集まり実技を通してシンポジウムを行いましたから、シンポジストと司会者の間で実技に関する突っ込みはもちろん、シンポジスト間での討議やフロアからの質問が相次ぎ、あまりの白熱に二時間という枠がとても短く感じられました。
ビデオ 森本先生の実技風景