タイトル装飾画像
滋賀漢方鍼医会ホームページ鍼画像
タイトル装飾画像

「鍼灸師の夢を語れ」 二木清文先生

ホームへ戻る 研修資料一覧ページへ戻る



 「夢を語れ」というよりも、何度も『にき鍼灸院』の名前が出てきていてその中で夢を持っていてもらったということが嬉しかったと、聞いていて思っていたところです。
 
 私の夢というのは、それこそ佐野君が紹介してくれていたようにホームページでいくつも発表していますし、それから先日「鍼灸ジャーナル」の企画で松田博公先生と対談した時にも沢山話をさせてもらいました。最終的なものとしては、目標であり夢なのですけど鍼灸という医療が今の日本もしくは中国でもそうなのですが、西洋医学に対してオルタナティブメディスン(代替医療)あるいは西洋医学が第一という考え方ではないよということでカウンターメディスンなどと表現されています。


 ちょっと話が反れますが、ひっくり返して考えれば西洋医学がどうしてこんなにメジャーになったかといえば、これは戦争に対して便利だったからです。外傷の応急処置をしたり、爆撃などで破壊されたなら不衛生となり感染症が発生してくるのですけどそれを押さえ込むのに便利なのです。西洋医学が爆発的に発達したというのは、衛生学によるものだったのです。それと細菌学の発達。ということでお医者さんの、あくまでもここでは「お医者さん」と表現しますけど西洋医学のお医者さんの精神論はどこにあるのかということは、一度も語られたことがなかったのです。だけど東洋医学というものは、最終的にはその人の精神論がどこにあるのかというところへ行き着きますよね。


 だから西洋医学だけが第一に考えられるのではなく、「東洋医学と西洋医学のどちらにまず掛かろうか」と、それくらいメジャーになって欲しいのです。

 
 そのためには「気」や「経絡」そのものは私が生きている時代では証明されないだろうとは思っているのですけど、でも「このようにすれば分かるよ」「このようにすれば感じられるよ」「確かに存在しているよ」というものを何とか証明したいのです。そのようなことが証明できるようになれば、医療を・鍼灸を取り巻く状況というのは劇的に変わるのではないでしょうか。私の生きている時代に、何とかこれくらいにまではしたいのです。そして私の子どもたちが次には、「経絡とはなんぞや」「気とはなんぞや」というところまでもう一歩踏み込んでくれればいいなぁと思っています。そんな夢を持っているところなのです。

 
 それでもう一つですが、土井さんが一月にオープン例会のために前泊に来た時の話です。結婚というのはとても嬉しい話なのですけど反面、開業した鍼灸院をどうしようかという相談になりました。この時に喋っていて自分で自分のことをハッと思ったのですが、夢というものもそうですし人生というものもそうなのですが、「強い意志を持っているということ」が夢を引きつけてくる・目標を引きつけてくる、どちらでもいいとは思うのですけど多分この場合には水戸先生の説明からなら目標を引きつけてくるということになるのでしょうけど、「こうあるべきだ」と強い意志を持っていることだと思います。


 だから「うちの治療室は流行るべきものなんだ」と。患者さんが治るのだから患者さんが治るために勉強をしているのです。そのようにしているのですから、患者さんが次の患者さんを引っ張ってくるのです。「うちの治療室は流行って当然なんだ」「漢方鍼医会は大きくなって当然なんだ」「鍼灸というものは大きくなって当然なんだ」と、強い意志を持っていることだと思うのです。


 あの時に具体例で話をしていたのは、私の治療室でも患者数の増減はあって寒い時期は減りますし何かのタイミングで新規申し込みが少なかったりすると数が少なくなってしまいます。その時なのですが、私は敢えてもう一回するかなしないかなという時、今回でも大丈夫だろう忙しい時期なら終わっているだろうという患者さんに対して、暇な時期なのに敢えて治療終了を宣言していただろうという説明をしていました。それは、そのようにすれば新しい人たちが入ってこられるスペースが出来るからです。それと「自分がもっと頑張らなければならない」という強い意志がまたまた出てくるからです。


 ですから、まとめというのか夢を語って頂いた人たちには「強い意志を持つ」ということが大切だと付け加えます。強い意志を持つだけでなく、自分を動かすために敢えて何か一つを先に動かしてしまうことです。それは結構痛みを伴うものでなければならないかも知れません。患者さんが「もう少し通院してもいい?」「いや、もういいよ」「先生がそういうなら・・・」、でも心の中では一回分の収入がと少しは思っているのです。しかし、そうではありません。そのようにすることで自分が強い意志を持つのであり、患者さんの幸せのために・心も身体も財布も幸せになるために決断したことなのですから、その分は必ず自分の元へ戻ってきます。このように痛みを伴うことがあるかも知れませんし、努力を伴うこと疲れを伴うことがあるかも知れませんけど、勇気を持ってそのようにせねばならないと日々実行を心がけているところです。



ホームへ戻る 研修資料一覧ページへ戻る


Copyright(c)2010 shigakanpouhariikai All rights reserved.