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「鍼灸師の夢を語れ」 佐野佑介先生

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 おはようございます。なぜか、新年度トップバッターを任され、緊張しておりますが、このような場を与えていただいてありがとうございます。はりきゅう師の免許も無事取れまして、登録も無事済みまして、めでたく鍼灸師となりました。


 僕は本部と滋賀と月2回研修させていただいているんですけど、それが鍼灸学校2年生からでしたのでちょうど2年終わったところで、本部の方で「漢方鍼医会会員の章」という立派な門標もいただいたんですけれども。夢を語れということですが、それだけですと20分も時間が持ちそうにないので、なぜ漢方鍼医会に入ったのかといういきさつぐらいからお話させていただきたいと思います。


 僕が鍼灸学校1年の冬に、姉が風邪をひきまして、1年の冬でしたので鍼もバンバン打ってましたので、「鍼灸は風邪効くよ、効くよ」と学校の先生から話を聞いていたので、無謀にも姉に「鍼やらせて」といって、鍼をさせていただきました。
 1年生の知識ですし、技術ですのでとりあえず肺経の中のツボつかっておけば良いだろ〜喘咳寒熱で経キョ、発熱してるから魚際、急性病だからゲキ穴の孔最という感じで、左右あわせて8本ぐらい、今から思うと針山にしているようにしか思えないんですけど(汗)鍼をバンバンうっていったんです。運が悪かったのか、腕が悪かったのか、手技が悪かったのか、橈骨神経に触れてしまって、ビリッとしびれさせてしまったんですね。


 それで、姉は看護士なので神経に鍼が触れることがどれだけ危ないことかわかっている人なので、「もう、怖いからやめてぇ」といわれまして、風邪はもちろん治りませんし、鍼は怖がられるし、まだ1年生でしたがこのまま鍼灸師続けていけるのかなぁという思いがあって、これは効かせれる鍼を勉強しなくてはいけないと思って、勉強会に参加する決意をしました。


 姉に言われたから「怖い」という言葉がずっと気になっていて、ていしん治療を考えるようになっていきました。学校でていしんで治療をされている先生がいらっしゃったんですけれど、その先生は漢方的にどうのこうのということではなくて、才覚で邪を見て抜くといいましょうか、そういう感じの治療をされている先生でしたので、自分の才能的にもそういう治療をしていくのはきつい面がありました。
そういった治療法しかていしんにはないのか?と思っていたときに、インターネットでていしんと検索をしたら、二木先生の「ていしんの臨床実践」という論文を発見しました。その論文を読んでいてとてもワクワクしていたのを覚えています。鍼灸学校に入るときに、鍼灸の世界は科学でも解明できない不思議で面白い世界だなぁと思っていて、そういったものにあこがれて入学したのですが、いざ鍼灸学校はいって1年勉強したけど、本当に鍼って治せるんだろうか?と鍼自体に疑問も持っていた時期で、論文を読んでとてもワクワクしたのを覚えています。
1mmずれたら効かないといわれる鍼灸の取穴の授業もアバウトだし、当時東洋医学概論で八綱弁証、臓腑弁証を習っていたのですが、実際治療にどう結びつくのかがわからない。当時は中医学、経絡治療の違いすらもわかっていませんでしたけど(汗)


 鍼灸学校に入りたいと思ったときに自分が想像していた世界が、論文の中にあったんですね。それで、他の資料もたくさん読ませていただいているときに。丸尾先生の言葉が書かれていて「鍼灸師は算術ではなく仁術に長けなさい、徹せよ」という言葉を目にしたんです。思想的な面も自分の求めていた鍼灸師の有るべき姿でしたし、自分がなりたいという鍼灸師の形だったので、すぐに二木先生がどこの会の先生なのかを調べて、漢方鍼医会という会だということがわかって、本部のホームーページを見たら入門部が丁度2年区切りの1クールのスタートの時期だったのですぐに申し込みもしまして、ここで話が終わっていれば僕は滋賀には来ていないんですけど(汗)今年も二木先生が本部でお話されていましたが、2年前にも「入門に入られた方は是非、地方組織にも所属されて月に2回は研修されることをお勧めします。」という話をされたんです。位置的には愛知漢方が一番近いのですが、それを聞いてどうせ行くならば二木先生のいる滋賀にと思って、一昨年の4月に滋賀に聴講に来ました。それでご縁あって入会して、今ここで話させていただいています。

 そろそろ、本題に入らせていただきます。
将来の夢ということですが、来年からにき鍼灸院でお世話になることが決まっておりますので、そこでないても笑っても石にかじりついてでも、技術をしっかり身につけて、話して楽しく、鍼して治せるようになって、漢方鍼医としてひとり立ちが出来るようになることが一番近い目標なんですけど。


 にき鍼灸院卒業した後はどうしようかな。ということなのですが、今日は2つ考えていることをお話させていただこうと思います。


 今、医薬品登録販売者の受験取得の為に、ドラッグストアで働いているのですが、この資格簡単に言うと一般医薬品の漢方薬の販売が出来る資格になるのですが、この資格を取得することで、明治時代に明治政府の悪政によって漢方医学が弾圧されて、結果現在でも鍼灸と漢方薬が分離してしまっているのですが、この資格によって明治以前の漢方医の形に近づけた形での治療院を開業したいと思っています。現段階では、漢方薬局に押しかけていろいろな話させていただいたり、本読んだりしていますが、鍼の方が楽しいですし、鍼灸主体で補助的に用いるもしくは、漢方薬は理論のみになるかもわからないですが、鍼も漢方薬もとてもよく効くのを実体験としてあるので、患者さんにとってプラスに働けばどちらでも良いとは思っているので、「良いものは取り入れる」といったスタンスだけは常に大切にして勉強していけたらいいなと思っています。今、鍼がとても面白いですし、鍼が効くんだ、ということを教えてくれたのが漢方鍼医会だったので、自分が勉強したことが漢方鍼医会に還元していけたら良いと思って頑張りたいと思います。


 もう一つ、現実味がまだないのですが、巽堂OBの五味哲也先生のように、途上国の医療支援活動に携わりたいと思っています。現地に赴いて活動するか、現地の人を招いて技術を伝えるかどういう形になるかはわかりませんが、何らかの形でそういった活動をしたいと思っています。ごう鍼を否定するつもりはないのですが、漢方鍼医会のてい鍼治療は途上国の衛生レベル、エイズなどの感染症、貧困などを考えた上で、必要最小限の道具で最大の効果をもたらすことの出来るので、医療支援にとても向いている世界でも数少ない医術なのではないかと勝手に思っているわけですが、そういった治療法を輸出して、世界に漢方はり治療を広めることにもなったら一番いいかなぁとおもいます。医療支援という言葉があまり妥当ではないと思いますが、必ず多くのことを学ぶことになるので、ぜひやってみたいことのひとつです。


 治療院開くにしても、医療支援に携わるにしても、死ぬまで「医は仁術」ということを忘れない治療家であり続けたいと思います。以上です。ありがとうございました。


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