2月例会の報告

平成20年2月15日 草津まちづくりセンター  
   午前9時40分~午後16時30分まで   

内容    
午前「治験発表」       佐野佑介先生      
    「臨床あれこれ」     二木清文先生      
        
午後「取穴」        
   「奇経治療」      
   「小里方式」
    

午前 
今回の挨拶は、二木清文先生による挨拶であった。慈母を昨年末に亡くされ、その経緯を語り、また現場に立ち会われた時に信じたくないという気持ちになったなど色々なことが頭をよぎったということであった。どのような場面においても冷静さを保つことは容易なことではないと感じた。また、慈母の生前の生き様を話され、その中でも利益を求めるだけでなく人のために何かをすることの素晴らしさについて話され、自分自身考えさせられる事が多いご挨拶であった。

最初の講義は佐野佑介先生による治験発表であった。主訴は、手関節尺側痛ということであった。交通手段の多くがバイクということでハンドルを握りしめる時に痛みを感講義風景じるとのことだった。治療後痛みは大分楽になっていたとのことだ。治療の中で補助療法も取り入れられ素晴らしい発表となった。その後の質問場面では臨床経験は様々であるが、多くの先生の考えを聞くことで、多くの方向から考えることが出来るようになり、普段どのように診察を進めているか考えているかということを再認識することが出来た。

午前中後半は、二木清文先生による臨床あれこれであった。経済不況の影響を受けて国内経済も悪化しているのかということで、自動車の流通に置き換え大変分かりやすい説明をされた。又、鍼灸の世界も多少はその影響を受けているとのことだった。大切なことは目先だけの利益を求めるだけでなく、患者さんに毎日勉強させて頂いているというへの感謝の気持ちを忘れないということ。そして、日々最高のパフォーマンスを提供できるよう先生自身気功法や呼吸法を取り入れ工夫をされておられるとのことだった。その他、パニックからの脱出方法を述べられたりと様々なお話をされた。明日からでも臨床室でも取り入れられる事が多く大変勉強になった。

午後 
午後は、まず小腸経・肝経の取穴から始まった。肝経の中封の取穴では同時に脾経の商丘の取穴も確認できた。正確に取穴をすることは治療効果を大きく向上出来また、しっかりと生きて働いている穴をとることは大変重要なことであると再確認できた。研修会の度にベテランの先生方と共に取穴の実践をすることはとても大切なことだと改めて感じている。
奇経実技風景

次に、奇経治療であった。三台のベットに分かれ実際にベテランの先生指導のもとで治療を行った。どのベットも肩上部が楽になったなど良い効果が現れた。このように、持続効果は乏しいが施術が簡便で驚くほどの効果を発揮でき、透熱灸をすることにより自宅治療も可能ということで、これから開業を考えられておられる先生方にも大変参考になったのではないかと思う。
 
続いて、聴講生、基礎班と研修班に分かれて三台のベットで小里方式小里式実技風景を行った。聴講生には土井先生が御指導され、基礎班には二木先生御指導のもと、腹痛の久保田先生を始め二名がモデル患者となり治療を行った。今回から標治法にも力を入れていこうということで前例会よりも緊張感がひしひしと伝わってきた。また、研修班も二名のモデル患者治療を行った。今例会もベテラン先生方達から教わることが多く又刺激を受け、一日一日の臨床の場を大切にしなくてはならないなと感じた。