2月例会の報告

平成22年2月19日 草津まちづくりセンター    

   午前9時40分~午後16時30分まで  

内容
午前「難経読み合わせ」             木村知恵先生 
    「各臓の病症と治療について」      二木清文先生                       

午後「取穴」    
   「基本刺鍼」                      

   「小里方式」   

午前

今回の挨拶は、二木清文先生による挨拶でした。

午前挨拶風景人は事を始めるのになかなか足踏みを続けやすいもの。例えば「開業」。もう少し・・もう少し上手くなって自信がついてから・・そう思う人がいるならば大間違い!とのことでした。まずは、経験をつむ事が大切でそこに自助努力をし結果に繋げてゆくもの。その際には、【治療家としての心の自信】【施術側本位でない患者にとっての満足】を治療のうえで突き詰めることが大切なんだと個人個人に深い意味として受け取れるメッセージでありました。
午前講義に入る前に、今年ご結婚された木村先生と開業をされた藤木先生のお祝いを皆でさせていただくことができました。木村先生の素敵な笑顔にいつも元気を頂いていますが、さらに幸せをおすそ分けしていただきました。藤木先生の素敵な笑顔には、開業されてこれから凛とした姿で優しく患者さんと向き合われる様子が目に見えるようでした。
ご結婚祝い風景
開業祝い風景

午前講義風景1
午前最初の講義は、連続講義9回目となる「難経読み合わせ」でした。今回は木村知恵先生による講義で13難の読解進行をしていただきました。13難は、脈象・色・尺膚の関係を併せながら五行論で相生・相克問題を説き起こしています。ここでの望診・切診は臨床と直結したもので、顔色の見方や、尺膚の判断など細かな所まで疑問を出し合いそれぞれの先生方の捉え方を伺うことができました。そこからドーゼの話しに広がり臨床話や判断点が挙げられてゆきました。その中では本治法や標治法で抑えるべきポイントなど理解でき、明日からの臨床室でまた一つ一つ確認してゆきたいと思いました。(次回の予定は13難へ~to be continued・・・)

午前講義風景2次に二木清文先生による基礎講義「各臓の病症と治療について」のお話でした。今回、本題に入る前には【剛柔と治療法則】に関して初学生の方にもわかりやすいよう説明をして頂きました。治療とは、脈の変化だけに捉われてはいけない。病理を捉える事、つまりそれぞれの五臓六腑の関係性を理解していくつもの治療に繋げてゆく、知る事が大切だとのことでした。基礎講義に入り、今回は前回からの続きで「肺」の中医学との違い~からでした。中医学の分類などテキストに沿って学びました。中でも虚熱からのしつこい咳・痰・五心煩熱などの症状を呈す中医学での肺陰虚証と同様の病理を観察して共有するものが漢方はり治療でもあり、「肝虚肺燥証」とされています。その病理を理解すると供に、テキスト中にでてくる中医学での言葉の理解は注意点でもあるので、いくつかの言葉に意見交換がなされてゆきました。

午後
   
取穴風景午後は、まず脾経・肝経の取穴から始まりました。脾経では、原穴の太白穴を赤白肉間をしっかり確認して取る事ができました。赤白肉間は毎回意識するのですが、人によってはかなり内側に移動することをモデルを前に確認できたので、身につけ生きて働くツボは動く事にも注意してみてゆきたい所でした。肝経では、曲泉穴を取る時に膝を深く屈曲させて確認しますが臨床室ではできないこともあります。そこで、膝を伸ばした状態での曲泉を確認し、一緒に近くの陰谷穴もみてゆきました。取穴する時にただ確認するだけでなく、実際に鍼をツボに自然と持っていけるように自然体も気をつけながら行うことは一連の重要な点でもあることを感じました。
 次に、腹部を使っての基本刺鍼を行ってゆきました。今回は衛気営気の手法時間をベテランの先生に指導していただきながら丁寧に確認する事ができました。どちらの手法が適応するのか意見を出し合い確認ができた後に、手法時間をまず少し長めに行い、徐々に短くしてゆく。これを行うことで衛気営気の時間がより確かなものを感じ取れました。さらに、手法時間が施術者によって個人個人異なる事も実技を通して学ぶ事ができました。
小里式実技風景続いては、聴講班・基礎班1台づつ、研修班は2台のベッドに分かれて小里方式を行いました。聴講班では基礎をしっかり御指導を受けられ、基礎班ではモデル患者を診ながら診察・証決定へと結び付け意見を出し合われました。研修班では、咳症状が治療後にはぴたっと止み診察し病理をつかみ適した証を導き出した上での治療効果でした。他にも症状はそうひどくはなくとも脈象が寸陰尺陽と逆になり見た目とは異なり経絡の崩れは大きい症例など今月も様々な病症を参加者の先生方と見てゆくことができ臨床室での病理の捉え方や診察・治療の幾箇所で考えの幅がまた広がりました。
                                    報告ページ担当  若森千明