1月の例会報告

平成25年1月20日 草津まちづくりセンター

午前9時40分~午後16時30分まで  

内容

午前「難経読み合わせ」  中谷美紀先生 

  「基礎講座」  水戸尚子先生

  「気功指導」  中尾俊哉先生

午後 取穴(実践的な取穴練習)、小里方式

 

午前は二木清文先生による代表挨拶から始まりました。

私たちが様々な情報を手に入れることが出来る手段としては新聞、テレビ、ラジオなどがあります。それぞれに大人の事情などでベールを被せたまま流れているので、核心をついたところを知れるメディアは今のところラジオのようです。ラジオは規制圧力というか監視が入りきれないため生放送で言いたいことを言っていて面白いのに対して他のメディアは自分達本位の演出であり最近面白みが感じられないようです。また、インターネットの世界では何が正解なのか混乱してしまうほどの情報量で、見比べてどれが正しいのか間違っていないかどうかという判断が必要になるというお話がありました。

また、毎月の例会ではベテランの人は技術に磨きをかけるのはもちろんのこと、中堅初心者の人はベテランに追いつけ追い越せで頑張ることでベテランがいい刺激を受け、今までないがしろにしてきた部分が見えてきたり気付かされることがあり頑張ってほしいと激励がありました。臨床で思うままに出来ていても、毎月例会に参加することで自分の足元を見つめ直すことができ、ちょっとうまくいかないことのヒントになるのだそうです。何十年も臨床経験を積んできた先生でさえ問いかけの日々でありますから、たった数年の経験ではもっと悩んで抜け出せなくなってしまうこともあり肩を落とすことも多い時期であります。同じような道をベテラン先生も辿ってきて今があるという事実をしっかりと受け止め、では自分はどうするべきなのかということを考えさせてくれます。

午前最初の講義は、中谷美紀先生による「難経読み合わせ」でした。

今月は35難の読解進行をしていただきました。35難は陰陽分類或いは五行分類について簡単な例をあげてその方法に誤りのないように解説したものになります。

講義のなかでは質疑に対して上手く答えられず、自ずと自身を戒めてしまうこともあるのですが、そんな空気を察したベテラン先生から「わからないということがダメなのではなくて、わからなくてもいいからとにかく前へ進んでいけばいい。進んでまた戻るとわかるようになるものです」というお言葉を頂くシーンがあり感無量となりました。

次に水戸尚子先生による基礎講座「蔵象論」のお話でした。

今月は「肺・大腸の生理と病理」の読解をしていただきました。

 午前の最後の講義は、中尾先生の気功指導でした。
今月は準備体操から入り習得レベルに合わせたグループ分けをし、それぞれ新しい動きを学びました。

午後の実技は取穴からはじまりました。臨床で使う生きたツボを取る練習をしています。1ミリでもずれると効果も半減してしまうため、最も神経を集中させる時間でもあります。

一人がツボを探し体表の経絡上を触れていくのですが、腕や足の丸みに沿って経絡も触れなければいい脈が出ません。同じ経絡を触れて同じツボを取っても結果が思わしくないのはこういう細かな違いによって生まれます。感覚の優れたベテラン先生相手に今回こそはと意気込んで指導をして頂くものの、「全然違う!そこじゃない、ずれてる!笑」と何度も駄目だしを受けながらも時間ギリギリまで粘る先生もいました。 聴講で来られた方からは「今までこんなに丁寧に診ていませんでした」といった感想をいただきました。

つづいて次は基礎班と研修班と合同で基本刺鍼をしました。

滋賀漢方では、刺さないはりという「ていしん」を主に勉強しています。基本刺鍼は土台となる部分でこれを疎かにしては何も出来ません。いろんな感覚を持つ先生と肌で意見交換をしながら、過去に身につけてきたものを更により良いものにするため軌道修正をかけていきます。

つづいて基礎班と研修班で3台のベッドに分かれて小里方式を前半・後半の2部に分けて行いました。

 

聴講班は小林先生が担当くださいました。今月は指導者の勉強として大野先生が入りました。

 

 例会後は指導者研修会が行われました。

興味を持たれた学生の皆さん、先生の皆さん、和やかで温かい滋賀漢方鍼医会に一度お越しください。また、わからないことがあれば何でも聞いてみてください。

一緒に笑って楽しく勉強出来れば嬉しいです。お待ちしております。

                 報告ページ担当 大野沙織