平成21年10月17日 草津まちづくりセンター
午前「難経読み合わせ」 土井麻琴先生
午後「取穴」
「小里方式」
午前最初の講義は、連続講義六回目となる「難経読み合わせ」でした。今回は土井麻琴先生による講義で8難の読解進行をしていただきました。8難は、文頭で死脈の一つの診方をあげて生命の根本である生気の原の大切さが説かれています。この難では意見交換を通して死脈といっても幾通りもあることを学んだ事が印象的でした。ここでは、生命の根源・陰の部が途絶えてしまう事で平脈も死に繋がることがあると書かれていますが、死脈はもちろん平とのイコール(=)ではなく挙げられた幾つかの意見の中には虚実のあいまいさや脈状の変化などがありました。土井先生のご経験のなかから「生きようと残る炎が燃え盛るような脈」の話などをお聞きし生死が言葉どおり二文字で単純明快に表せないことのように奥深さを考えなおす機会を頂いたように思います。その他文中の生気の原やせいき(生気・正気・精気etc,,)腎間の動気などを学ぶと供に聴講の方にもわかりやすくベテランの先生の気の概念、捉え方まで話しの幅が広がってゆき密度の濃い内容でありました。(次回の予定は9・10難へ~to be continued・・・)
次に二木清文先生による基礎講義「各臓の病症と治療について」のお話でした。本題に入る前には前半の講義最後に出た質問である【腎間の動気】にいついてわかりやすい説明を受ける事ができました。講義本題では、前回時間が足りず触りだけであった「一・肺の病症と治療」 に深くはいってゆき肺の「気を主り呼吸を主る」「宣発と粛降を主る」「通調水道を主る」「百脈を朝め心脈を助ける」などの生理機能を踏まえうえで、今回は外感病の初期に対する治療にもあたる【肺虚陽実証】について学びました。 肺の精気が虚すれば陽気は徐々に停滞し充満した状態となってゆくものです。そこからの病の伝変の流れを学び、精気の虚や寒邪の程度によって現れる緊脈についての話なども補足して頂きつつ治療例までみてゆくことができました。次回は続きとしての陽経処置のお話へと続きます 。
午後
次に、いつものように腹部を使っての基本刺鍼を行ってゆきました。今回も衛気営気どちらがその病態に合うものなのか幾例かみてゆき手法の確認を致しました。その他では、脾のみどころである臍周囲の診方や、午前講義の話題から腎間の動気についても実際の実技として再確認することができました。