平成21年1月17日にき鍼灸院
午前10時40分~午後16時00分まで
内容
午前「腹部を用いての基本刺鍼」
「刺絡」
「円皮鍼」
「知熱灸」
午後「取穴・臨床的自然体」
「子里方式」
「ベッド2台を用いてのモデル治療」 二木清文先生
岸田美由紀先生
午前
今月は、にき鍼灸院でのオープン例会でした。まず小林先生、二木先生から挨拶を頂き参加者の簡単な自己紹介をしたところで早速実技時間をたっぷりと設けた濃厚な例会が始められました。
最初の実技は、ベッド4台にそれぞれ4班として分かれ、腹部を用いての衛気・営気の手法の修練を行いました。この修練方法は、患者の病態に対してどちらの手法が適しているのかが確認できます。行った手法がよいのか、悪いのか、肩上部・腹部・脈等の変化をみた上で客観的評価として捉えられました。手技の向上にむけてさらなる修練を重ねて行きたいとこの実技を通して改めて強く感じました。この時間では、指導者の先生から衛気の手法時の押し手の重さや、抜鍼時のタイミングが注意点としてそれぞれのベッドで多々上がっていました。それぞれの地方の先生方と共に実技を学ばせていただけることで、参加者同士の意見の交換も活発に行われてゆきました。
次に補助療法として、井穴刺絡・円皮鍼・知熱灸を行いました。
井穴刺絡では、この概念として営気の瀉法ですが、作用としては滞りを取り除き補をもたらすもの。つまり、痛む局所から沢山抜けば、良いと言うことではない所に注意が必要だとのことでした。使用する経絡の見極め方では、視覚によって血(おけつ)を判断する法・視覚を使わず手の感覚で血(おけつ)を判断する法、刺鍼方法、臨床室で井穴刺絡をいかに利用しているのかを伺うことができました。そして、実技ならでの刺絡後の脉の変化などリアルタイムで感じ学ぶことができ大変勉強になりました。。
円皮鍼では、円皮の得意所として擬似的に経絡を流す作用がありま
知熱灸では、作り方、施術点の取り方など学び、普段の会場では火が使えない分リクエストが多かった実技であるので、体験も積極的にされ、沢山の質問が飛び交いました。
この知熱灸には、湿熱も加わっており、体験者の方からは、とても熱の伝わりが気持ちよいとの感想がありました。
午後は、まず取穴・ベッド周りでの臨床的自然体を行いました。今回はにき鍼灸院での電動ベッドをお借りできたことで、自分にあった高さで、いかに臨床的自然体を作るのかを学ぶことができました。取穴をするといっても、患者の手、足など角度・位置、さまざまなのです。私たちが取穴をした後、指導者の先生が肩に手を当て、アドバイスに従い少し立ち位置を変えてみる。そこで自然体だと思っていた姿勢に肩の力が抜け切れていないことにハッキリと気づくのでありました。その後参加者で再度班に分かれお互いの苦手な取穴・自然体を見直すことができました。
次に小里方式を同班で行い、今回は滋賀以外の漢方鍼医会からの先生のアドバイスも受けることができ、とても刺激となる時間となりました。
最後に、二木清文先生と、岸田美由紀先生に二台の電
動ベッドを用いて、モデル患者の実技公開をして頂きました。岸田先生は、主訴が腰痛のモデル患者を。二木先生は風邪のモデル患者を担当されました。実際の治療室と同じかたちで治療を進められ、無駄のない動きで、流れるような治療でした。その中で、患者の病態、生理、治療について細かな解説をはさんで下さることで、患者の状態が参加者にも詳細に伝わり皆参加型ともなる実技公開となりました。要望が多かった標治法についてもじっくりと伺いみることにより一層理解が深まりました。
丸一日を実技時間としてたっぷりに設けた贅沢なオープン例会。にき
にき鍼灸院でののオープン例会のあとは、かんぽの宿での温
泉、懇親会でした。向かうバスの中では、例会の反省を一人一人行っていきました。濃密な時間を例会で過ごし、かんぽの宿で心も体も癒し琵琶湖を眺めながらの温泉で疲れをとる。最後に皆で頂く食事はまた格別に感じるのでありました。懇親会では、滋賀以外からもベテランの先生方も集まられているこの機会に、臨床室でのお話を聞いたり最後まで贅沢な一日を過ごすことができました。今後への意気込みがます中、最後にはとても素敵なご報告があったりと今後の皆さまのご清栄を祈りつつ今月の例会は閉じられました。