平成21年7月18日 草津まちづくりセンター
午前9時40分~午後16時30分まで
内容
午前「難経読み合わせ」 生内優里先生
「補助療法について」 二木清文先生
午後「取穴」
「菽法脉診」
「基本刺鍼」
「小里方式」
午前
今回の挨拶は、二木清文先生による挨拶でした。まず時事ネタを話され鍼灸の話に入られる所で、今回は佐野先生に前に出ていただき、先月お亡くなりになられたお爺様の闘病を、家族としてそして鍼灸師としてもお爺様の傍で支え続けられたお話をしていただきました。闘病中ホスピスに入られたときも食が細くなる事はなく家族の方々に元気な姿を見せておられたとのことです。それというのも、ご家族の方の温かな心を感じ、さらに佐野先生がお爺様のために続けられた鍼治療の効果があってのものだったのでしょう。この貴重な体験をお爺様が与えてくださったことで「患者さんは師匠である」という言葉を強く胸にきざまれたとのことでした。佐野先生がこの話に込められた想いを受け最後に二木先生が参加者に死は皆におとずれることであるが尊厳死があること、また鍼灸師はその期に役立てる存在である事をどうか覚えてかえってほしいとメッセージを訴えかけられました。生と死が私達それぞれ身近に存在する中で何を感じてゆくか、鍼灸師としては何ができるのか深い課題を再認識させていただきました。
午前
午前最初の講義は、連続講義三回目となる「難経読み合わせ」でした。今回は生内優里先生による講義で4難の読解進行をしていただきました。4難は寸口部をみる上での脈象と脉位について、陰陽の二分類を行っている。ここでは素問、陰陽離合論篇第六・陰陽別論篇第七等に述べられている内容を踏まえた上での難経独特の考え方を基礎にして述べられている4難であるが、特に正常脉と病が入り込んで変わる脉を理解していくことが重要で、ベテランの先生からは正常脉を見いだすものとして臨床へ繋げているとの意見をあげて頂きました。後半の三陰三陽の脉で質疑が飛び交うことが多くそれぞれに捉え方として難しい箇所のようでありました。この4難では陰陽論、そして五行論も含め基本となる部分を強く感じた面がありましたので基礎を固める意味でしっかり理解をしたうえで次の難に進みたいと思いました。
次に、二木清文先生による「補助療法について」のお話でした。後半も前回に引き続く連続講義三回目で今回は子午治療・ナノムソ・お灸のお話しとなりました。聴講の方が多かったので主題に入る前には古人によって行われた手当てから変化を繰りなして今現在の治療にいたるまでのお話しと漢方鍼医会の特徴を大まかに説明して頂きました。主題として子午治療では二木先生ご自身の学生の頃の体験談をお話頂き、印象的であった治療やその他ある期間に集中して同じような症状を抱えた患者さんを診る機会が重なり治療経験の中で自信を築かれていったシンクロネスティの話しなど興味深いお話を沢山伺えました。
午後
午後は、まず大腸経・脾経の取穴から始まりました。大腸経では、「蛇頭」という異名を持つ温溜穴では前腕を回内させ筋肉の動きの変化をとらえた上でモデル点をしっかりと確認してゆくことができました。脾経では赤白肉間に注意したりまた陽稜泉穴では慣れないうちは取りにくい穴でもあるので頚骨内縁を押し上げた湾曲開始点のよりわかりやすい取り方を学びました。ここは感覚的には膝から相当に離れているように感じるのでその感覚と位置を丁寧に教わる事ができました。
次に、聴講の方が基本の指導を受けておられるので聴講の方を除いた参加者で菽法脉診をみていきました。午前の講義で陰陽脈に触れたばかりでしたのでそれぞれ考え持って、さらに来月の例会でも難行読み合わせの講義にて5難に入り菽法脈診がでてくるのでその予習をかねて慎重に診てゆけたと思います。
次に、いつものように腹部を使っての基本刺鍼を見直してゆきました。姿勢・目線などほんの些細な事でかなり手法・治療効果にに影響を受ける事を実感し、さらに自分の修正点に指摘を受ける事で普段の自己修練だけでは見えてこない部分を再確認できる点が多々あったのでそこから自分の身できるようさらに手法と向き合い意識する事でより充実した時間とかえられたことと思います。