4月例会の報告

平成21年4月18日 草津まちづくりセンター
  午前9時40分~午後16時30分まで

   内容
    午前 「定期総会」
        「鍼灸師の夢を語れ」   
                      佐野佑介先生
                      生内優里先生
                      水戸尚子先生              

   午後 「取穴」        
      「基本刺鍼」
      「小里方式」

午前
今回の挨拶は、小林久志先生による会長挨拶でした。昨年度の活動を振り返り、今年度からは漢方鍼医会本部も新会長が就任され心機一転地方組織の滋賀としてもテキストやHPなど新たな課題をもって今後の活動のお話をされました。今年度もよりよい鍼灸治療を後世へ伝えてゆきたいと願いを込めて新年度の素晴らしい皮切りの挨拶とされました。続いて年に一度の定期総会が開かれました。

午前
今回は、若手の3名の先生方に「鍼灸師の夢を語れ!」というお題について熱くお話ししていただきました。まず、今年鍼灸師として羽ばたかれたばかりの佐野佑介先生は、学生時代のご家族の治療経験から感じ取ったものからの出発、学術を得ようと自ら行動を起こしたことで出会えたご縁、そこから向かう自らの将来像についてお話ししていただきました。
続いて、生内優里先生のお話では学生時代から、今助手経験を経て「鍼灸師」としての大きな意識変化を述べられ、その中でも「総入れ歯になっても治療家でありたい」との名言は生内先生の人柄に和まされつつも皆の心に深く印象付いたのではないでしょうか。
最後に、昨年に開業された水戸尚子先生によるお話でした。水戸先生は夢とは、実現したい理想。目標とは、行き着こうと設けたもの。としっかりと意味するものを捉えた上で最近の臨床室での近況のお話の中から小児鍼での関東地域での位置づけを変えるなど意欲・意志ともに強い芯をもって訴えられました。恩師である二木先生の治療室で「あそこに行ったら大丈夫」という患者さんを目にしたことで自らも周辺地域でそのように信頼合って皆集まれる場でありたいと目標を掲げられました。

3名の先生に熱く語っていただき、この厳しい世の中で若い先生に夢を持っていって頂きたいという願いが込められたお題は、卵からベテランの先生まで参加者一人一人に熱ものが胸に宿ったのではないでしょうか。

午後
 午後は、まず肺経・胃経の取穴から始まりました。始めに、目的とする経絡を伸ばすことで正確な取穴と効果の向上がはかれるためこれを常に意識するようにアドバイスいただき取穴を行っていきました。胃経では骨度法も頭に置きつつ臨床的な取り方を学ぶことができました。使用しているテキスト「経絡治療と臨床研究~やさしい解説と実践取穴法~」ではモデル点の取穴法だけならず臨床的な取穴法が記載されており、今月も指導者の先生と実際に取穴してゆき、それぞれの経穴での臨床室のお話を伺うことができ一つ一つが興味深く印象的な学び時間となりました。

次に、腹部を使っての基本刺鍼を三班に分かれて行いました。前回に引き続き衛気・営気の手法、特に手法時間をみてゆきこの点に関しては二木先生がそれぞれのベッドを回り個人個人へご指導いただくことができました。術者以外の者は、手法中に皮膚状態・脉・腹状・肩上部などみることで術者の手法の完成度、改善点などを指摘し合うことができました。そして、指摘して頂く中で手法時の手の軽さなど一点にばかり気を向けてしまうと反対に肩上部などががちがちになっていたり注意点から改善点まで様々な気づきがありました。基本は何一つ欠いても手法の完成へとたどり着けないことを改めて感じ、参加者の先生方からの意見で改善され手法の形が成り立った時の喜びを覚えこみ今後に繋げたいと思いました。

 続いて、ベッド3台に分かれて小里方式を行いました。今回は小林先生と二木先生ご指導のもと始められました。いつものように、問診・切診を経て経過や現状を踏まえて病理を見極めてゆき治療へ移りました。この病態は49難でいけるのかまたは69難か、はたまた・・・と身体をじっくりとみてそれぞれ意見を交わしてゆきました。今回も沢山の意見をぶつけあることで非常によい刺激を受けつつ、最後には指導者の先生にも導きを頂きながらしっかりと肩上部・脉・腹の三点セットが緩むことを確認し、症状も取り去ることができました。施術を行う者にもモデル患者としてベッドに上がり術を受けるものとしても得るもの多く、大変勉強になる実技時間でした。

 今月の指導者研修会はお休みで、新年度の始まりを祝し懇親会が開催されました。
祝いの時間を満喫しながらも、今後の滋賀漢方鍼医会のさらなる盛栄にむけて自然と意見が飛び交い楽しくも意義のある時を皆で過ごすことができました。

                                         

報告ページ担当  若森千明

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