平成21年5月16日 草津まちづくりセンター
午前9時40分~午後16時30分まで
内容
午前 「難経読み合わせ」 岸田 美由紀先生
「補助療法について」 二木 清文先生
午後 「取穴」
「基本刺鍼」
「小里方式」
午前
今回の挨拶は、小林久志先生による会長挨拶で、先日他会の勉強会に参加された際のお話しをされました。そこでは目的とするものは同じだが、独特の診察・治療法をされ実に興味深い内容であったとのことでした。様々な勉強会に参加することは見解を広げ、なにより自分のたりない点に気づく良い機会でもあります。自分の中で軸足をしっかりおいたうえで見解を広げ、技術を極め「患者さんにとっての良い治療」をめざしていきたいとのお話しでした。さらに滋賀の近況としては新HPやベビーシッター制度設置など新体制も整いより学びやすい環境となりましたので随時聴講生も募集の件もお話しされました。
今月から難経の読みあわせが始まりました。今回は岸田美由紀先生により1難の内容いついてお話しして頂きました。1難は「どうして経絡治療家が脈をみるのか」という内容であります。
最初という事もあり、ベテランの先生方に読みあわせを皆でしていくに当たっての御意見そして難経への思い入れなどを伺うことができました。進行を勤めてくださった岸田先生は、先人の解説は先人の想い。これを機に自分の解釈を感じてゆきたいというお話しでした。会長である小林先生は、一通り読みあわせを学び終え、その後臨床へどう繋がるかという目的意識を持ち向き合いたいとのことで私達も一難一難の解釈を様々な角度からみてゆくことで大切に読み合わせていきたいと感じました。
午前中後半は、二木清文先生による「補助療法について」の講義でした。補助療法の本題に入る前には、漢方鍼治療の基礎についてそして経絡治療との違いについて話されました。補助療法なかには、刺絡・子午・円皮・皮内・灸・ナソ・ムノ・奇経などがあり、中の一例として症状が強く証決定が困難な状況に陥っている時などかなり使えるものもあるが、安易に使うとドーゼ過多になるので注意が必要とのことでした。その他補助療法を使っての印象深い臨床室でのお話しや、適応例、施術箇所の臨床的見極め方など明日から早速臨床室で使える知識内容豊富に詰まった講義でありました。
午後
午後は、まず腎経・小腸経の取穴から始まりました。腎経の取穴では経金穴である復溜の取穴は使用頻度も多くより丁寧にみていくことができました。この経穴は生きて働く穴として高さはあまり変動しないが前後の変動がよくあるので注意して取穴をしました。小腸経では、養谷穴の臨床的取穴をご指導いただくことができました。滋賀のテキスト記載の臨床的取穴とは別に、二木先生が臨床室で追試され反応がさらに強く現れるところとして教えていただき、皆で取穴を致しました。正確に取穴をすることは治療効果を大きく向上出来ることであり、また、生きて働いている穴をとることは大変重要なことであると再確認できました。
続いて、腹部を使っての基本刺鍼の修練を行いました。前回から続き手法時間にも注意してお互いに指摘しあったり向上点をアドバイスしていただいたり自己習練も大切ながらこのように研修の場で皆さんに刺激を頂く事で明日への成長へと繋がる事が多々あり、大変勉強になりました。
午後の後半は、聴講生班、他二班に分かれて三台のベットで小里方式を行いました。聴講生には二木清文先生が御指導され、二班にはそれぞれ小林久志先生と岸田美由紀先生の御指導のもと行われました。声の変調という事で生内先生がモデル患者となり治療を行ったことでは、声を録音して施術前と後を確認してゆきました。今例会もベテラン先生方達から臨床的なお話しから治療家としての姿勢など教わることが多く、各々が感じたことをお土産にして、明日からの臨床の場一日一日もさらに大切にしてゆきたいと感じました。
報告ページ担当 若森千明