11月例会の報告

平成21年11月15日 草津まちづくりセンター 
   午前9時40分~午後16時30分まで   

内容
午前「臨床あれこれ」            土井真琴先生        
   「脉診・脉論について」        二木清文先生                
        
午後「取穴」       
   「補助療法」        
   「基本刺鍼」        
   「小里方式」
    

午前
今月の例会は、まず小林久志先生による会長挨拶であ会長挨拶風景った。今回の挨拶は、近年の自然界の生態を踏まえながら気候の変化のお話から爽やかな挨拶が始められた。先月の例会は日本伝統鍼灸学会への参加に振り返られたことからこのような大きな学会に参加することは勉強になるうえに他団体との交流ができるというとても刺激ある貴重な場となるとのお話であった。この刺激で、現在の漢方鍼医会の立ち位置を見ることも可能で、会の足りぬ点に気付くこともあれば、良き点を再確認できる場でもあるのだ。他団体が集まる大きな場、そこで共に学び会う意義を強く訴えられた。その学会で発表された印象的な先生のお話に触れられ、難病のお話が出ていたことで最後は今年また難病疾患登録が増えている今日に漢方医の大きな役割を御提示された。

午前、最初の講義は土井真琴先生による臨床あれこれで、「開講義風景業について」のお話であった。滋賀で二木清文先生の元で助手として修行をつまれた後、京都で開業されて半年がたたれた土井先生。開業に至るまでの期間、どのような準備が必要であるのか後輩へのメッセージも込めてご自身の経験をもとに奮闘記も交えて話された。一口に開業といっても、実際どのくらいの期間がかかるのか、予算分配、治療院内の構成からコンセプトまで、今後開業しようという後輩達にとってとても心強いお話なのであった。その中でも、特に印象的だったものは土井先生が治療院開業にむけて「自分らしさ」を常に意識されていたことだ。そのこだわりの空間を出すためには、鍼灸院という枠にとらわれず、様々な場を見学されたとのこと。常に頭の中で構成をイメージしてアンテナを張り巡らせる事が大切とのお話であった。人との出会いを重んじ、大切に、自らの貴重な糧とされる土井先生。お話からも、人としてとても素敵な方だという印象をとても感じるのであった。立派な先輩の経験談とお姿を目前にし、心強い道しるべに感じたのであった。

次は、二木清文先生による講義である。伝統鍼灸学会と本部の4人の先生を迎えての連続講義ディスカッションの復習であった。学会一日目については、印象深かった先生のお話を深く掘り下げて、現在、そして今後の鍼灸界の問題点を鋭く切っていかれた。二日目の一般発表や実技では、それぞれの先生から新鮮な発見と刺激を頂きつつ、他会との大きな違いを「人を見て自分を知る」という言葉を用い、このような場で学ぶ意義を今日の会長のご挨拶に続き伝えられた。この機を逃さずに来年の会場、福岡にむけていける人は是非参加して欲しい。と締めくくられたのであった。本部でのディスカッションからは、「胃の気の脉」を取り上げられ、各々の胃の気へのイメージが異なるというのに同じものをみているように話を進めても、あやふやなものとして話し合いが続いてしまう注意点を述べられた。講義後の質疑の時間でも質問が上げられていたが、二木先生の考える胃の気の脉とはどのように捉えられているのか、最後に教えて頂くことができた。細かな部分部分だけをみず、老若男女関わらず患者の後をイメージして脉を感じることの大切さを感じたのであった。
 

午後
午後は、まず脾経・大腸経の取穴からであった。脾経では、赤白肉間をしっかりと見極め、特に大都から太白穴にかけては弧を描くように経絡をみることができ、ここは経穴が移動している方も多く、外反母趾の患者の場合はどうなるかなど質問も飛び交っていた。大腸経取穴時には、モデル点を確実に取穴できるよう基本を固め、さらに今回はベテランの先生の最近の臨床でのお話を聞くことができ、大変充実した時間であった。

次に、補助療法として円皮鍼の実技を行った。意外と刺入方法をし円皮鍼実技風景らずに、痛みなく刺入することが困難な方もおられるよう。今回はその刺入方法はもちろん、ベテランの先生が臨床室で使われる才の刺入目標とする部位の探し方までご教授頂いた。痛む局所ばかりみずに、治療を進める上で経絡を意識することが臨床ではとても大切なことだとのこと。そして、今回腰痛がある肩に実際行った際には、とても動きが軽くスムーズになり効果を実感して頂くことができた。その後鍼を外された時のご意見をきくと、外すと痛みが少し再発したよう。あくまでも「痛み止め」なのだとベテランの先生は言われる。このように簡便で効果が絶大な分、患者への後々の行動・養生指導が大事であることも強く感じたのであった。

 続いて、基本刺鍼では、三班に分かれて腹部を使っての修練を行った。切診から衛気営気どちらが身体が求めているものかを予測し、その後実際に鍼を行ってみるのである。班の中でそれぞれの意見を述べあった後結果を手技を行うことで確認する。もし予測が外れど身体が求めていない手技を行った時の変化をみることは自らの身体をもっても、他者の身体をもっても、とても吸収すべき者に溢れているのであった。自己修練の数だけ、大きな宝となる修練方法なのである。

午後の後半は、今回も小里方式では研修班、基礎班、聴講班に分小里式実技風景かれて行った。聴講班では、今回はマンツーマンでの指導を受けられて、治療をした後のご自身の身体の変化を感じて頂いた。一つのベットにはベテランの先生もついておられ、共に学ばせて頂くことができる。毎回感じることだが、このような貴重な場で、自分の意欲と行動力しだいでとても大きな発見に出会えるのだ。ぜひ様々な方に参加して技術・意識の向上へと繋げて頂きたいと思うのである。今月は、指導者講習会の時間にDVD観賞が行われた。以前撮影が行われた岸田美由紀先生の「ていしん入門」のサンプルDVDである。来年一月にあるにき鍼灸院でのオープン例会の話などもあげられ、これから先の沢山の楽しみをひかえ、今回も例会後にもかかわらずさらなる熱気をたっぷりに充電されて実技研修に入ったのであった。 
 

9月例会の報告

平成21年9月20日 草津まちづくりセンター  

   午前9時40分~午後16時30分まで   

内容  
午前「臨床あれこれ」          久保田浩彦先生 
   「肺の生理について」        木村知恵先生                
        
午後「取穴」      
   「奇経治療」      
   「基本刺鍼」       
   「小里方式」
  

午前
今月は、二木清文先生による挨拶であった。始めに、八月末に行われた岸田美由紀先生著書の「ていしん入門」に基づくDVD撮影のお話であった。詳細に書かれた本の内容が、映像としても補われるという事は伝わるものが大きくなるであろうと、期待溢れる内容であった。次に、先日鳩山首相が就任されたということから政権交代を経て政治の大きな移り変わりが我々にどのような影響があるのか等お話し頂いた。そして、最後には二木先生が先日老人ホームの慰問に行かれた話からその後実際に臨床室に入られ感じられた指圧・マッサージ施術後の鍼灸術手技への影響性・感覚の発見など話され、多岐に渡るないようであった。

午前、最初の講義は久保田浩彦先生による臨床あれこれであった。病院でお勤めの久保田先生は、今回臨床室から「糖尿病(DM)」のお話をしてくださった。見事にまとめ上げられた資料を基に、糖尿病の詳細から、すぐにでも検診の目安が分かる日頃の危険度チェック一覧表を合間に入れたりと聞き手も参加型のお話で、楽しみながらもしっかりと学ぶことができた。その他にも、食事・運動に関する簡便な表を資料に織り込んでくださったことから、とても分かりやすいご講義であった。近年、日々近代化が進む世の中で、生活が便利になったことから運動不足・食レベルの低下などに繋がり増加していくばかりの糖尿病患者数。多くの先生方が臨床室でも糖尿病と闘う方と出会う機会が多いのではなかろうか。そのような中、久保田先生のご講義は、すぐにでも臨床に役立つ知識の蓄えとなったのであった。

次に、木村知恵先生による「肺の生理ついて」であった。肺の古典講義風景2での位置づけや、働きから肺と各臓との関係、それから病理までお話し頂いた。ご自身の症例もあげながらのお話で、実に分かりやすく、その後は各自風邪のの予防法を参加者の先生方からも伺えるなどわきあいあいとしつつも今後の感染症予防の姿勢の変化にも繋がる充実した時間となった。木村先生は愛用されているまいマスクでの予防法を紹介され、最近の気候の変化にも負けぬよう、まずは自己管理を徹底して行かねばと感じたのであった。最近の身の回りの旬の果樹の変化や、この会場に来られる際には秋風を感じつつ向かわれたお話などさわやかな挨拶を去れ、始終秋風に包まれるような柔らかい空間でのご講義であった。
 

午後 
午後は、まず膀胱経・心経の取穴からであった。膀胱経では、足で取穴風景の取穴法として、赤白肉間という言葉が出てくる。理解しているようで少しあやふやになりがちであるが、今回これの見極めが容易にできる法を学ぶことができた。触れながら感覚を澄まして見極めてゆき、その後改めて目で見てみても赤肉と白肉間の境目がハッキリと理解できた。次に、奇経治療を行った。それぞれのベットに別れ、肩上部のこりや、腰部の症状などがあげられるなか、治療の即効性の再確認を実感したのであった。奇経治療ならではの経穴取穴では本来の経穴にプラス、比較としての取穴についても学ぶことができた。奇形実技の中でも特に、ベテラン先生の素早いツボの確認が印象的であった。効果を改めて感じることも大切ながら、毎回の実技でベテランの先生の触診姿や、手技風景を間近に見て、感じて学べることは実に貴重であることと感じたのであった。

次は、お腹に基本刺鍼を行い、手技の確認を行った。この際、一基本刺鍼実技風景本の鍼で脈・腹・肩上部までとても大きな変化が出る。この三点セット以外にももちろん情報源は多々あるが、この腹部での刺鍼は、見事に手技レベルが現れる。この基本刺鍼では、研修会ではお互いの身体から学ぶが、自分の腹でもできることから腹部での修練を欠かさない事で手技レベルの向上に直結する。まず腹診・切診からからだが欲する手技を予測してから行った。身体が必要としない手技では、理の開きや腹部が堅くなったりととてもハッキリと変化が現れた。先日の夏期研でも二木先生がこの修練の必要性を強く訴えられていたように、修練を怠らぬなら必ず身となるのがこの画期的な修練方法であるのだ。手技レベルの向上としてこの重要性がひしひしとみに浸みる充実した時間であった。

午後の後半は、今回も小里方式ではベッド三台に別れ、それぞれのベッドでベテランの指導者の先生の導きを受けながら病理をつかみ証決定へと移ることができた。そして、聴講生ベッドでは生内先生ご指導のもと、実際に治療を受けられた参加者の先生にはご自身のみを持って身体の変化を感じて頂くことができた。今月の例会も皆で共に学び、考え、意見を投じあい、感じることで新たな発見も多く一人一人にとって得るものが大きな例会となった。

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8月例会の報告

平成21年8月23日 草津まちづくりセンター 

   午前9時40分~午後16時30分まで   
 
内容   
午前「夏期研報告会」             参加された先生方  
   「夏期研基礎講義から学ぶ」      二木清文先生               
        
午後「取穴」 
   「菽法脉診の確認」      
   「基本刺鍼」       
   「小里方式」
    
午前
今回の挨拶は、小林久志先生による挨拶であった。今回の挨挨拶風景拶は八月ということで、丁度64年前のこの月に原爆投下・終戦があったことからさかのぼり戦争当時の話から入られた。決して忘れてはならない現実を痛感したはずの日本人が今核武装アンを出したりと過ちを繰り返そうとしている。過ちの繰り返しといえば、最近では新型インフルエンザの件でも然り。以前流行した感染症の対策に急遽大量のワクチンを入手したが移り変わる型の変化にはついてはいけず結果が伴わなかった。私たちは周りの状況・情報を鵜呑みにし振り回されるがために今までから過ちを募らせている。一つ一つ耳にはいる情報を冷静に判断する必要があるのだ。それは医療の一角をになう私たちが平和を切に願う「平和人」でいるためにも常に重要なのだと、これからの私たちの医療姿勢へとつながる話をしてくださった。そして、私たちは経絡治療という強みがあるのだからこれから来る感染症の患者への対応に揺らぎがないように自己治療を経て、自己管理を怠らないようにとのお話であった。
本日は第16回夏期学術研修会を終えて初の月例会ということで、二木清文先生司会のもと参加された先生方それぞれから感想、意見を伺う報告兼反省会から始められた。プログラム・実技授業一限ずつ切り分けて報告会が進められ、夏期研での充実した時間の中で、得られたものまた疑問に思ったものが次々と出てきたので今後滋賀漢方全体の課題とできた。今回の講義は二木清文先生による「脉診・脉論について」では、夏期研での新井康弘先生の基調講義が題材とされた。聞き手が理解しやすいように1証決定とは何か、2陽経の治療についての二本柱を立て話を進められた。まず、証とは、病の本体であり、治療目標である。そしてそれは病理へとつながる。その病理があくまで仮説であるのだから仮説・検証(軽擦)・実証のステップを踏むことが大切であると学ぶことができた。次に、陽経の見方のお話では夏期研のお話も織りまぜ菽法脉診の脉位の話から、陰経の処置後の脉表面上の異変はどう見るのか、そして我々がとらわれがちな陰主陽従の話など多岐に渡りお話しして頂いた。最後には二木先生の臨床室から陽経の処置例を出してまとめられた。今回は夏期研の熱気覚めやらず実に盛りだくさんの内容であった。
 
午後 
午後は、まず腎経・小腸経の取穴からであった。腎経の原穴の取り方は、取穴法通りにとってしまうと要注意であることを学んだ。患者の仰臥位の姿勢では、実際は教科書通りの足関節の角度とはいかないからである。他にも代表的なもので、上肢の位置により肩甲骨の下角の位置は大きく変わる。そして、一瞬惑わされやすい代表である。治療は解剖学的肢位で行うはずはなく、解剖・運動学の知識を固め常に患者の筋骨経絡へのイメージをしておかねばならないことを強く感じた時間となった。
 
次に、午前の二木清文先生の講義でもあげられた菽法脉脈診実技風景診の実技を行った。私たちは脉位をしっかりとつかめているのか、沈めることは得意でも浮かせることが苦手な方が多い中今回は特に夏期研では9菽の取り方のまばらさが目立ったという先生のご意見が上がったことから、皆で見直し再確認を行うことができた。聴講生の方もベテランの先生と一対一の時間も設けて脉位の変化をしっかりと感じられたようである。続いて基本刺鍼では、ペアを組み衛気営気の手法を行った。今月は、夏期研後ということで様々な意見がいつも以上に飛び交っていた。お互いの身体で基本刺鍼を確かめ合うこの時間がしっかりと取られることで毎回気づきがあり、自分の過ちを見直すことができるのである。皆で学ぶこの場があるからこそできることであり、ベテランの先生から学生まで一緒に学ぶこの機会がいかに貴重な機会であるかを常に感じるのであった。
 午後の後半は、ベット三台に分かれての小里方式を行った。聴小里式実技風景講班では二木清文先生のご指導であった。今回は初めての参加の方お二人と共に学ぶこともできた。そして基礎班と研修班は今回合同で行ってゆき、小林久志先生、岸田先生ご指導のもと二人のモデル患者を皆で治療したのであった。基礎班、研修班では夏期研後ということもあり、参加された先生がベットに上がった際には夏期研時の証決定への手順と治療方法など雰囲気も聞きつつ、それとは別に現在の証決定を病理考察をした上で進めていったのである。夏期研後で今後の課題もそれぞれに備え、モチベーションの上がっていることから和気藹々と学ぶ中にも暑い熱気で溢れた月例会となった。

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7月例会の報告

平成21年7月19日 草津まちづくりセンター

   午前9時40分~午後16時30分まで   

内容    
午前「五臓の生理病理」(脾)    中谷武夫先生        
   「難経脉診・脉論」        二木清文先生               
        
午後「取穴」     
   「誤治から学ぶ」     
   「基本刺鍼」   
   「小里方式」
  

午前
今回の挨拶は、二木清文先生による挨拶であった。まず、岸田美由紀先生の著書の出版・そして二木先生の第三児のご誕生ととてもステキなご報告を皮切りに挨拶を始められた。最近は漢方鍼医会としても女性鍼灸師の活躍が増えてきたことから研修会での託児所の必要性から、前回の小林久志先生のお話を絡められて臓器移植法に見逃されている重要な問題点までお話しされた。政治・宗教と様々な点から死生観の統一は困難であるが、医師の決定に従うしかない患者・身内への心のケアまで配慮を成し得ないで真に求められているものへの到達はあり得ないのではないか。これら倫理的問題は決して我々鍼灸師にも無縁のことではなく日頃から考えて行かねばならないことであり、今回のご挨拶は私たちの今後のあるべき姿勢として道しるべともなった。

本日の最初の講演は、中谷武夫先生による「脾の生理・病理に講義風景ついて」であった。脾の位置づけ・役割として水穀の精微を五臓六腑に送ることから気・血・津液を養っていること、原動力として心・腎の相火について等総論のポイントをへて、各論では脾の作用である運化・統血・昇清をとても分かりやすくご講義頂いた。後の質疑応答の時間もいくつかの質問に対し、中谷先生を中心にベテランの先生方のそれぞれの視点から意見を伺うことができ、とても充実した時間となった。
続いて、今回は外来講師である杉山勲先生の「胃の気の脉診について」のご講義を踏まえての二木清文先生によるお話であった。胃の気の脉がベストとなる状態、それは我々にとって究極の目標とも言える。そのような胃の気の脉を杉山先生が重視してみられるようになった経緯から運営の方法を二木先生ご自身が本部例会で実際に手法を受けられた感想と交えてお話ししてくださった。そして、実技を受けられて特に印象深かったこととして、杉山先生の手さばき・刺鍼技術の高さをあげられており、これは自己治療を行われているからこそのものであろうとのお話には、まずは一番身近な身体から常に学ぼう、何かを得ようとする意欲の大切さが身に浸みたのであった。講義後の質問の時間では、意見大きく異なる治療スタイルの違いに関して質問が上がった。この問いに対し、経絡治療として一致するものはもちろんあるのだが、一概に経絡といっても様々な顔があることから目的部位の違いはあるということであった。結果、まず経絡流れをいかに作り出し、治癒に導けるかの重要性を最後にしかと学ぶことができた。
 

午後 
午後は、まず脾経・大腸経の取穴から始まった。脾経では、表取穴風景裏の肌目を惑わされやすい点を気を付けなければならないということと、教科書的にはどれをみても商丘の取穴は内踝前下方というのみの記載であるが、実際の臨床現場でのツボの取り方はいかなるものかということを実に分かりやすくご指導頂くことができた。この取穴の時間は生きて働く穴を正確に取るためにも、モデル点をベテランの先生方にしっかりと学べるとても貴重な機会であると改めて感じたのであった。

次に、二木清文先生の提案から誤治の診察から正確な診察との大きな違いを学んだ。誤治の脉をわざに作り出すことによってその後に正確な治療を施した時のリアルタイムでの変化を皆でみて、触れて、感じ取ることができた。治療家の一本の謝りがいかに患者の身体に影響を及ぼすかということを胸に刻み込んだのであった。そして、今回は二木清文先生の臨床室から、一穴をつかい、簡単に行える「のぼせ解消法」の補助療法を学ぶことができた。治療をしていく上でドーゼ過多や、敏感な方の「のぼせ」に出会われたことはなかろうか?その際に皆さんは患者を安心させる落ち着いた対応で解消法を備えられておられるでしょうか?臨床現場にでていくうえでとても心強いものとなった。 小里式実技風景
 
午後の後半は、聴講班と基礎班と研修班の三班に分かれて小里方式を行った。聴講班は小林先生ご指導のもと行い、基礎班は二木先生のご指導のもと二人のモデル患者を皆で治療したのであった。この時間は、毎回皆さんの意欲・姿勢から沢山の刺激を受ける。このような時間を設けていただくことからも常に向上心をそなえ学んでいけるのだと強く感じるのである。 
 

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6月例会の報告

平成21年6月21日 草津まちづくりセンター  

   午前9時40分~午後16時30分まで 

内容
午前「五臓の生理病理」(肝・胆)  岸田美由紀先生       
    「取穴」        
   「基本刺鍼」       
        
午後「難経脉論脉診」        二木清文先生       
   「標治法の実際」       
   「小里方式」
    

午前
今回の挨拶は、小林久志先生による会長挨拶であった。この度は、最近話題となっている臓器移植法のお話をされた。各々の死生観・倫理観は違えど、この問題の裏側には多くの人がぶつかっているであろう実に繊細な問題が山積みとなっていることを強く再確認させて頂く機会となった。続いて、二木先生から贈呈された二木式てい鍼を臨床に使われた感想および意見を述べられた。

本日の最初の講演は、岸田美由紀先生による講演で「肝 講義風景胆の生理・病理について」であった。色体表をもとに、それぞれを肝・胆の生理的作用と照らし合わせながら後半は病理の鑑別ポイントによって締めくくってくださったことから、とても分かりやすく、そして興味深く学ばせて頂くことができた。基礎的な部分は復習として確認し、+αとして細かなご説明を加えてくださったことから基礎を掘り下げてみる必要性を強く感じる機会となった。次に、今回は変則的にこの時間に実技の一部を前半に持ち越し、肺経・胃経の取穴を行った。経絡を伸ばして取穴・治療を行うことで、効果の著しい変化が現れることを教わった。そして、肺経では特に臨床家の先生方ならではの取穴を指導してくださり、参加された臨床家の先生方ならではの取穴を指導してくださり、参加された先生も、この取穴を研修会で学び、生きたツボを使うことで効果を常に実感されているとお話されていた。

 
午後 

午後は、まず二木清文先生による講演であった。今回は外来講師として、遠藤了一先生の講演を踏まえた上でのお話であった。素問・霊枢・難経を通してからも読み取ることが出来るように、道具の発達によるその時代における治療法、それに相対する考え方の変化、特徴を歴史を通して実に興味深く話されているとのお話であった。その他にも遠藤先生のお話を通して二木先生が感じられたことなどを伺い、書物からから読み取ることが出来る時代背景、真の意味を見逃さないように常日頃、学び続ける大切さを痛感した。その後は、本部での質疑応答の際にでていた特に陽経の扱いについて先生方それぞれの意見を聞くことができ、とても益となる時間を過ごさせて頂いた。
 

二木式てい鍼実技風景 次に、二木清文先生の二木式鍼での臨床からの発見で、「邪気を払う方法」をご指導頂くことができた。二木先生ご自身の身体をもって皆に明らかな効果あを見せてくださいました。いつも使っている鍼の用い方の工夫により、無駄な気のもれまで防ぎつつ、しっかりと邪気を抜くことができる。そして、なにより患者への負担も軽減できるとのことであった。ベテランの先生方も、それぞれの感覚を実感し、意見を出し合われました。このような場で共に学び意見を拝聴させて頂き、とても良い刺激を頂くことができ実に充実した時間であった。

小里式実技風景
午後の後半は、基礎班と研修班の二班に分かれて小里方式を行った。基礎班は、久保田先生を、研修班は二木先生をモデル患者として皆で治療を進めていった。皆で意見を出し合うことさながら、先生方それぞれの観点での問診や、患者への触り方、証決定への考え方に触れることは実に勉強になり、そこから自分が感じたことを身とできるよう学んでいきたいと感じたのであった。

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5月例会の報告

平成21年5月17日 草津まちづくりセンター     
   午前9時40分~午後16時30分まで   

内容    
午前「難経脉診」           二木清文先生      

    「五臓の生理」(腎)      小林久志先生                
        
午後「取穴」
   「腰痛に対する骨盤矯正」     小林久志先生      
   「基本刺鍼」     
   「小里方式」
    
午前 
今回の挨拶は、二木清文先生による挨拶であった。最近世界的に話題になっている豚インフルエンザについて話された。他の人にうつさないためにも咳をしている人はマスクの着用をすべきですし、そうでない人もマスクの着用を予防のためにもないよりはあった方がよいのではなかろうか。また、今夏のイベントの東京での夏期研についての話にも触れられた。
講義風景
午前中最初の講義は本部での四月例会外来講師で来られた池田政一先生の講義を踏まえての二木清文先生による難経脉診であった。まず、何故脉診が必要なのか?どう応用できるのか?というような総論のお話から始まった。また、初心者でも出来る不問診で脉診から感じたことを患者さんに問うような訓練の行い方も話された。続いて、脉診の基本的な指の当て方をはじめ、三菽の指の重さの大切さを話された。また女性など小さい手の方は把握法を用いるなどというようなアドバイスも頂けた。続いて陽経脉診についても触れられベテラン先生方の意見も沢山聞け、大変盛り上がった講義であった。
 
続いて、小林久志先生による腎の生理についてであった。腎の五行は水であることを始め、陰中の陰である性質を持つことから、どこからか陽気を借りないと腎気として働かないのだということや、上古天真論より、女子は七歳を一紀とし、男子は八歳を一紀とするとあり、生殖・発育・老化に大きく関わり生命活動の根本そのものであることが理解でき素晴らしい講義となった。
午後 取穴風景
午後は、まず肝経・三焦経の取穴から始まった。取穴が難しい経穴にも容易に出来るような体位があるということ。細い腱などは何度も示指でその付近を往復することにより浮かび上がってくるものだということ。正確に取穴をすることは治療効果を大きく向上出来また、しっかりと生きて働いている穴をとることは大変重要なことであると再確認できた。研修会の度にベテランの先生方と共に取穴の実践をすることはとても大切なことだと改めて感じている。
 
次に、小林先生の臨床室から「骨盤のずれによる腰痛」における補助療法の指導いうことであった。実際に腰痛のある先生にモデルになって頂き二台のベットに分かれて行った。また、骨盤を押さえる前後を比較してアキレス腱の太さと足の長さの左右差に着目して行った。前後を比較すると左右差が明らかに少なくなっていることが分かり、歩行時には軽快に膝が上がるようになることを確認した。続いて基本刺鍼の修練をペアを組み行った。ベテラン先生方からもご指導を受けたりと大変参考になり、また一ヶ月後に成長をみて頂きたいなと思った。自然体は常に心がけること。基礎基本の大切さを改めて再確認できた。
小里式実技風景
午後の後半は、聴講生、基礎班と研修班に分かれて三台のベットで小里方式を行った。聴講生には小林久志先生が御指導され、基礎班には飯田寿先生御指導のもと研修班も二名がモデル患者となり治療を行った。今例会もベテラン先生方達から教わることが多く又刺激を受け、一日一日の臨床の場を大切にしなくてはならないなと感じた。

4月例会の報告

平成21年4月19日 草津まちづくりセンター 

   午前9時40分~午後16時30分まで  

内容    
午前「2008年度定期総会」          
    「会長講演」          小林久志先生                
        
午後 「取穴」        
    「臨床室から新しい発見」     二木清文先生     
    「基本刺鍼」  
    「小里方式」
    

午前 
今回の挨拶は、小林久志先生による会長挨拶であった。昨年は挨拶風景滋賀支部での大イベントであた夏期研とにき鍼灸院でのオープン例会での出来事を含め、今年度も素晴らしいスタートを願ったご挨拶であった。続いて、一年に一度の定期総会が開かれた。
今年度の始まりは小林久志先生による会長講演であった。題名は「人間博士になろう!!」であった。年配の方は大体薬漬けではなかろうか?ご自身の闘病体験から薬の副作用恐ろしさを含め様々なことを話された。また、闘病時に西洋医学に助けられたことからお医者さんの素晴らしさも知ることが出来た。そして、東洋医学においては西洋医学的に原因不明だが治療は出来る。未病治す手助けが可能ではなかろうか。人間は常に生きようとしている。死をむえたとしてもまた生まれ変わる。そういった意味でも人間は小宇宙なんだということであった。まだまだ素晴らしい講演は続くのであった。

午後 

取穴風景午後は、まず心包経・胆経の取穴から始まった。取穴が難しい経穴にも容易に出来るような体位があるということ。細い腱などは何度も示指でその付近を往復することにより浮かび上がってくるものだということ。正確に取穴をすることは治療効果を大きく向上出来また、しっかりと生きて働いている穴をとることは大変重要なことであると再確認できた。研修会の度にベテランの先生方と共に取穴の実践をすることはとても大切なことだと改めて感じている。
 踵の痛みに関するアプローチ実技風景

次に、二木先生の臨床室から「踵の痛み」における標治法の指導いうことであった。どうやら、殿筋の関係が深いのではないかということであった。二つのベットに分かれて実際に行ってみると臀部の艶や緊張の緩み方が違っていたということ。また、治療を受けた先生方も歩行時の足の軽快さに驚かれておられた。続いて基本刺鍼の修練をペアを組み行った。ベテラン先生方からもご指導を受けたりと大変参考になり、また一ヶ月後に成長をみて頂きたいなと思った。自然体は常に心がけること。基礎基本の大切さを改めて再確認できた。

午後の後半は、聴講生、基礎班と研修班に分かれて三台のベットで小里方式を行った。聴講生には岸田美由紀先生が御指導され、基礎班には二木清文先生御指導のもと、母指の動作痛ということでモデル患者となり治療を行った。また、研修班は二名のモデル患者治療を行った。今例会もベテラン先生方達から教わることが多く又刺激を受け、一日一日の臨床の場を大切にしなくてはならないなと感じた。

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3月例会の報告

平成21年3月15日 草津まちづくりセンター  

   午前9時40分~午後16時30分まで   

内容  
午前「私の大学生活から社会人として」   生内優里先生        
    「臨床ディスカッション」                
        
午後「取穴」
   「奇経治療」     
   「基本刺鍼」      
   「小里方式」
    
午前 
今回の挨拶は、小林久志先生による会長挨拶であった。世界的経済の不況の話から沢山のことについて触れられ、1年を締めくくる素晴らしい挨拶となった。その中でも、ピンチはチャンスと捉え、常に基礎基本を大切することが大事であるという事であった。
 講義風景
最初の講義は生内優里先生による発表であった。初めての発表ということもあり予想以上に短時間で終わってしまい、ベテラン先生方の素晴らしい補助も頂いた。これから社会人になる方にとって少しではあるがご自身の経験から伝えられることがあればよいなと感じる内容であった。また、ベテラン先生方の意見や経験、毎日の臨床で何を気を付けてらっしゃるかなど沢山参考になることが多く大変楽しい雰囲気の講義であった。
午前中後半は、小林久志会長司会による臨床ディスカッションであった。滋賀の例会実技での使用する鍼においての意思の統一や鍼の二度打ちに関すること。また、瀉法鍼の使用方法やどういう場合に用いておられるのかなどを話し合った。明日からでも臨床室でも取り入れられる事が多く大変勉強になった。
午後 取穴風景
午後は、まず腎経・大腸経の取穴から始まった。腎経の取穴ではアキレス腱の前縁をきちんと確認すること。また、大腸経においてはきちんと陽谿から曲池までの流注を確認することを頭に入れて行った。正確に取穴をすることは治療効果を大きく向上出来また、しっかりと生きて働いている穴をとることは大変重要なことであると再確認できた。研修会の度にベテランの先生方と共に取穴の実践をすることはとても大切なことだと改めて感じている。
 
次に、奇経治療であった。三台のベットに分かれ実際にベテランの先生指導のもとで治療を行った。どのベットも肩上奇経治療風景部が楽になったなど良い効果が現れた。このように、持続効果は乏しいが施術が簡便で驚くほどの効果を発揮でき、透熱灸をすることにより自宅治療も可能ということで、これから開業を考えられておられる先生方にも大変参考になったのではないかと思う。続いて、ペアを組み基本刺鍼の修練を行った。お互いに沢山のことをアドバイスを受ける事ができ大変勉強になった。また、自然体は簡単なようで難しいと感じた。
 
午後の後半は、聴講生、基礎班と研修班に分かれて三台のベットで小里方式を行った。聴講生には二木清文先生が御指導され、基礎班には小林久志先生御指導のもと、右足首の痛みということで生内先生がモデル患者となり治療を行った。また、研修班は二名のモデル患者治療を行った。今例会もベテラン先生方達から教わることが多く又刺激を受け、一日一日の臨床の場を大切にしなくてはならないなと感じた。

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2月例会の報告

平成20年2月15日 草津まちづくりセンター  
   午前9時40分~午後16時30分まで   

内容    
午前「治験発表」       佐野佑介先生      
    「臨床あれこれ」     二木清文先生      
        
午後「取穴」        
   「奇経治療」      
   「小里方式」
    

午前 
今回の挨拶は、二木清文先生による挨拶であった。慈母を昨年末に亡くされ、その経緯を語り、また現場に立ち会われた時に信じたくないという気持ちになったなど色々なことが頭をよぎったということであった。どのような場面においても冷静さを保つことは容易なことではないと感じた。また、慈母の生前の生き様を話され、その中でも利益を求めるだけでなく人のために何かをすることの素晴らしさについて話され、自分自身考えさせられる事が多いご挨拶であった。

最初の講義は佐野佑介先生による治験発表であった。主訴は、手関節尺側痛ということであった。交通手段の多くがバイクということでハンドルを握りしめる時に痛みを感講義風景じるとのことだった。治療後痛みは大分楽になっていたとのことだ。治療の中で補助療法も取り入れられ素晴らしい発表となった。その後の質問場面では臨床経験は様々であるが、多くの先生の考えを聞くことで、多くの方向から考えることが出来るようになり、普段どのように診察を進めているか考えているかということを再認識することが出来た。

午前中後半は、二木清文先生による臨床あれこれであった。経済不況の影響を受けて国内経済も悪化しているのかということで、自動車の流通に置き換え大変分かりやすい説明をされた。又、鍼灸の世界も多少はその影響を受けているとのことだった。大切なことは目先だけの利益を求めるだけでなく、患者さんに毎日勉強させて頂いているというへの感謝の気持ちを忘れないということ。そして、日々最高のパフォーマンスを提供できるよう先生自身気功法や呼吸法を取り入れ工夫をされておられるとのことだった。その他、パニックからの脱出方法を述べられたりと様々なお話をされた。明日からでも臨床室でも取り入れられる事が多く大変勉強になった。

午後 
午後は、まず小腸経・肝経の取穴から始まった。肝経の中封の取穴では同時に脾経の商丘の取穴も確認できた。正確に取穴をすることは治療効果を大きく向上出来また、しっかりと生きて働いている穴をとることは大変重要なことであると再確認できた。研修会の度にベテランの先生方と共に取穴の実践をすることはとても大切なことだと改めて感じている。
奇経実技風景

次に、奇経治療であった。三台のベットに分かれ実際にベテランの先生指導のもとで治療を行った。どのベットも肩上部が楽になったなど良い効果が現れた。このように、持続効果は乏しいが施術が簡便で驚くほどの効果を発揮でき、透熱灸をすることにより自宅治療も可能ということで、これから開業を考えられておられる先生方にも大変参考になったのではないかと思う。
 
続いて、聴講生、基礎班と研修班に分かれて三台のベットで小里方式小里式実技風景を行った。聴講生には土井先生が御指導され、基礎班には二木先生御指導のもと、腹痛の久保田先生を始め二名がモデル患者となり治療を行った。今回から標治法にも力を入れていこうということで前例会よりも緊張感がひしひしと伝わってきた。また、研修班も二名のモデル患者治療を行った。今例会もベテラン先生方達から教わることが多く又刺激を受け、一日一日の臨床の場を大切にしなくてはならないなと感じた。

1月例会の報告

平成20年1月18日 草津まちづくりセンター 

  午前9時40分~午後16時30分まで   
内容   
午前「基礎講義」        土井麻琴先生      
    「剛柔治療法」      小林久志先生      
        
午後 「取穴」        
    「基本刺鍼」
    「菽法脉診」         
    「小里方式」
  
午前 
今回の挨拶は、会長の小林久志先生による挨拶であった。景気が悪く、占いなども流行る今日この頃、運気というものを取り上げると同時に、運命と宿命ということについて話してくださった。運命は変えられるものであり、今は即過去になり、今を変えればそれがよい過去になり、良い状態を続ければよい未来になる。そのため、心の持ち方、目標を持って前向きに進むことが大切であるということであった。個人的にも今年一年の決意を持つと共に、滋賀漢方鍼医会の目標、計画を持って進んでいきましょうと、新年始めの例会での素晴らしい挨拶であった。
 講義風景
最初の講義は土井麻琴先生による基礎講義であった。昨年は、各先生に五臓の生理について発表して頂いたが、それを頭に入れた上で病理を考えていけるようにしていきたいとのことであった。そこで、今回は腰痛や、動悸を主訴としてあげ、あらかじめ証を立てた状態から、何故その証になったかを考えていく形で講義が進められた。前回と同様に、各先生にそれぞれ考えを述べてもらいながら、最後に「日本鍼灸医学」をもとに、その病症が出るまでの流れを述べるという形であったが、臨床経験は様々であるが、多くの先生の考えを聞くことで、より多くの方向から考えることが出来るようになる。又、自分が普段どのように考えているかということを再認識することが出来た。
 
午前中後半は、小林久志先生による、剛柔選穴についての講義であった。以前から剛柔選穴については、講義して欲しいという声が多く挙がっていたため、大変楽しみであった。五運六気の説明から始まり、難経33難についても分かりやすく説明して下さった。今まで理解が困難であった33難も相剋調和の利を用いて説明して下さったことで、大変分かりやすく理解することが出来た。又、全てのものは陰と陽の性質を持っているということは理解していたものの、臓の中のの陰や陽を補うという考えを持って臨床することの大切さを改めて実感した。それと同時に古典の大切さを再確認することが出来た講義であった。
午後
午後は、まず肺経・膀胱経の取穴から始まった。肺経の取穴の注意点としてあげられたのだが、目的とする経絡を引き伸ばしておくことで、肺経にかかわらずその他の取穴を正確にするだけでなく、治療効果を大きく向上出来ることを再確認できた。また、しっかりと生きて働いている穴をとることは大変重要なことである。研修会の度にベテランの先生方と共に取穴の実践をすることはとても大切なことだと改めて感じている。 基本刺鍼実技風景
次に、衛気・営気の基本刺鍼をペアを組んでお互いに手法を行いお互いに改善点などを指摘し合いとても良い刺激になった。その他、自然体でいることの大切さを再確認できた。
 引き続き今回は二木先生指導の元で菽法脉診の修練を行った。中指を橈骨形状突起に当て示指・薬指を沿えて手関節前面横紋に平行にスライドさせた重さが丁度三菽なのだが、十五菽から三菽まで指を軽くしていく練習を行ったのだが、なかなか最初に取った三菽の軽さにならず悪戦苦闘をしながらも脉診の大切さを感じた。 脈診実技風景
続いて、聴講生、基礎班と研修班に分かれて小里方式を行った。今回基礎班には小林先生と岸田先生御指導のもと、腰痛のある久保田先生がモデル患者となり治療を行った。また、研修班では、風邪で体調不良でおられた木村先生がモデル患者となって治療を行った。季節柄風邪をひかれておられる患者さんが多いため、大変勉強になった。 
今月は例会終了後『 新年会 』が開かれどの先生方も頬を赤らめ楽しんでおられるようであった。食事も美味しくいただけ、先生方の貴重なお話もお聞きできとても素晴らしい時間であった。 

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